【STEP2-3】直列回路と並列回路|電流と電圧の分かれ方を先に読む

STEP2-3 直列回路と並列回路|電流と電圧の分かれ方
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直列回路に抵抗を1個追加すると、回路全体の電流はどうなる?

読む前に1問。10秒で終わります。

STEP2|直流回路を読む
Lesson 3|直列回路と並列回路|電流と電圧の分かれ方を先に読む

直列は足し算、並列は逆数。

そう覚えたのに、回路図が少し変わるとどちらの公式か迷う。

最初に見るのは公式ではなく、電流の通り道です。

  • 一本道なら直列
  • 途中で道が分かれ、あとで合流するなら並列

接続の形が分かれば、
共通になる量も見えてきます。

一本道の直列回路と分かれ道の並列回路を比べる図

直列回路では、電流の通り道が一つ

直列回路では二つの抵抗に同じ電流が流れる図

抵抗 R₁ と R₂ を直列につなぎます。

電流は途中で分かれないため、
どの抵抗にも同じ電流が流れます。

I=I_1=I_2

一方、電源電圧は二つの抵抗へ分かれます。

V=V_1+V_2

オームの法則を使うと、

\displaystyle V=IR_1+IR_2 \displaystyle V=I(R_1+R_2)

したがって、合成抵抗は、

R=R_1+R_2

です。

抵抗を直列に追加すると、
通り道に新しい流れにくさが加わります。

合成抵抗が元のどの抵抗よりも大きくなるのは自然です。

並列回路では、電流の通り道が増える

並列回路で電流が二つの枝へ分かれて合流する図

抵抗 R₁ と R₂ を並列につなぐと、
両方の抵抗の端は同じ二点へ接続されます。

したがって、各抵抗へかかる電圧は同じです。

V=V_1=V_2

電流は分岐し、あとで合流します。

I=I_1+I_2

各枝の電流は、

\displaystyle I_1=\frac{V}{R_1},\qquad I_2=\frac{V}{R_2}

なので、

\displaystyle I=V\left(\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}\right)

全体を一つの抵抗 R と見れば、

\frac{1}{R}=\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}

2本だけなら、

R=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}

です。

並列回路へ枝を追加すると合成抵抗が小さくなる図

並列の合成抵抗は、最小の抵抗より小さい

並列合成抵抗が最小の抵抗より小さいことを確認する図

ここは計算前に必ず予想します。

並列に枝を追加すると、
電流が通れる道が増えます。

全体としては流れやすくなるため、
合成抵抗は小さくなります。

10 Ωと20 Ωの並列なら、
答えは10 Ωより小さくなるはずです。

\displaystyle R=\frac{10\times20}{10+20}=\frac{200}{30}\fallingdotseq6.67\,\mathrm{\Omega}

もし15 Ωになったら、
計算の途中を見直します。

同じ抵抗が並ぶときの近道

同じ抵抗 R₀ を n 本、直列につなぐと、

R=nR_0

同じ抵抗を n 本、並列につなぐと、

R=\frac{R_0}{n}

になります。

これは別の公式ではありません。

直列は流れにくさが加わり、
並列は道の数が増えるという現象を短く表したものです。

はるの気づき

並列回路の逆数計算を覚えようとすると、
分数の処理だけで頭がいっぱいになります。

私も、計算できたのに答えが元の抵抗より大きくなっていることに気づけませんでした。

先に「道が増えたから流れやすくなる」と予想しておけば、
答えの上限が見えます。

計算力より先に、回路を見る目が間違いを止めてくれます。

電験3種では、ここを確認する

回路図の線が交差していても、
接続点を示す黒丸がなければ接続されていない場合があります。

見た目の上下ではなく、
同じ接続点につながっているかを追います。

  • 電流の一本道か、分岐があるか
  • 直列なら電流が共通
  • 並列なら電圧が共通
  • 合成抵抗が予想した範囲に入っているか

まとめ

直列回路は電流が共通で、抵抗は加わります。

並列回路は電圧が共通で、
電流の通り道が増えます。

公式を選ぶ前に、電流の道を指で追ってください。

次は、直列で電圧がどう配られ、
並列で電流がどう配られるかを、
分圧と分流として整理します。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

最初の3問は、計算しません。

頭の中で答えてから、選んでください。

問1予想 ★☆☆

電源はそのままで、回路に抵抗を1つ直列に足しました。全体に流れる電流はどうなりますか。

  1. ①増える
  2. ②減る
  3. ③変わらない
  4. ④抵抗の値による
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

② 減る

一本の通り道に、新しい流れにくさが加わりました。

合成抵抗が大きくなるので、流れる量は減ります。

直列の合成抵抗が、元のどの抵抗よりも大きくなるのは自然なことです。式を覚える前に、この向きを持ってください。

問2予想 ★★☆

今度は、抵抗を1つ並列に足しました。電源から出ていく電流の合計はどうなりますか。

  1. ①増える
  2. ②減る
  3. ③変わらない
  4. ④抵抗の値による
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

① 増える

電流が通れる道が、1本増えました。

全体としては流れやすくなるため、合成抵抗は小さくなります。

「抵抗を足したのに電流が増える」——直感に反しますが、並列は通り道を増やす操作です。合成抵抗は必ず、いちばん小さい抵抗よりも小さくなります。

問3式を選ぶ ★☆☆

10 Ω と 15 Ω を直列につなぎました。合成抵抗を求める式はどれですか。

  1. ①R = 10 + 15
  2. ②R = (10×15)/(10+15)
  3. ③1/R = 1/10 + 1/15
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

① R = 10 + 15 = 25 Ω

②と③は並列の式です(②は2本のときの近道の形)。

どちらを使うか迷ったら、答えの大きさで判断できます。

直列なら一番大きい抵抗より大きく、並列なら一番小さい抵抗より小さくなる。この2つを持っていれば、式を取り違えてもその場で気づけます。

問4まちがい探し ★★☆

次の解答には誤りがあります。計算し直す前に気づけますか。

「6 Ω と 3 Ω を並列につないだので、合成抵抗は 6 + 3 = 9 Ω」
  1. ①並列なのに、直列の式(足し算)を使っている
  2. ②6 Ω と 3 Ω を読み違えている
  3. ③並列では引き算を使うべき
  4. ④誤りはない。計算は合っている
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

誤り:並列なのに、直列の式(足し算)を使っている

正しくは (6×3)/(6+3) = 18/9 = 2 Ω

並列の答えが 9 Ω になった時点でおかしい。

並列は、いちばん小さい抵抗(3 Ω)より必ず小さくなるからです。

式を覚えていなくても、「3 Ωより小さいはず」が分かっていれば、9 Ω を答えとして書くことはありません。計算力より先に、回路を見る目が間違いを止めてくれます。

問5計算 ★☆☆

4 Ω と 6 Ω を直列につなぎ、100 V を加えました。流れる電流は何 A ですか。

  1. ①10 A
  2. ②41.7 A
  3. ③25 A
  4. ④1000 A
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

10 A

合成抵抗:4 + 6 = 10 Ω → 電流:I = 100 ÷ 10 = 10 A

直列では、この 10 A が両方の抵抗に同じように流れます。4 Ω の方だけ少ない、ということはありません。

問6計算(電験3種の形)★★☆

6 Ω と 3 Ω を並列にし、それに 8 Ω を直列につなぎました。
全体の合成抵抗は何 Ω ですか。

  1. ①10 Ω
  2. ②17 Ω
  3. ③4.2 Ω
  4. ④6.5 Ω
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

10 Ω

手順1:並列部分を先に1つにまとめる。(6×3)/(6+3) = 2 Ω

手順2:まとめた 2 Ω と 8 Ω は直列。2 + 8 = 10 Ω

複雑な回路も、やることは「並列を先につぶして、直列で足す」の繰り返しだけです。一度に全部を見ようとしないこと。まず電流の道を、指で追ってください。

6問、おつかれさまでした。
問1〜問4が答えられたなら、この記事は身についています。
迷ったところがあれば、その見出しにだけ戻ってください。全部を読み直す必要はありません。


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次はSTEP2-4へ進みます。

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