【STEP2-2】オームの法則|V=IRを覚える前に、3つの量を動かす

STEP2-2 オームの法則|電圧・電流・抵抗の関係
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電圧100V、抵抗20Ω。流れる電流は?

読む前に1問。10秒で終わります。

STEP2|直流回路を読む
Lesson 2|オームの法則|V=IRを覚える前に、3つの量を動かす

V=IRは覚えている。

それなのに、Iを求める問題になると式の形に迷う。

これは、公式を忘れたからではありません。

三つの量がどのように動くかと、
式の形がまだつながっていないからです。

オームの法則は、電圧・電流・抵抗の関係を表します。

V=IR

この一行を三つの公式として覚える必要はありません。

まず、回路の変化を予想し、
そのあとで求めたい文字を一人にします。

電圧を2倍にすると、電流はどうなるか

同じ抵抗で電池1個と2個を比べる電圧と電流の図

抵抗を変えずに電圧を2倍にします。

流れを生み出す差が2倍になり、
流れにくさは同じです。

したがって、電流も2倍になります。

I\propto V\qquad(R\text{が一定})

電流は電圧に比例します。

抵抗を2倍にすると、電流はどうなるか

通り道の広さで抵抗と電流の違いを比べる図

今度は電圧を変えずに、抵抗を2倍にします。

流れを生み出す差は同じで、
流れにくさだけが2倍になります。

電流は半分です。

I\propto\frac{1}{R}\qquad(V\text{が一定})

電流は抵抗に反比例します。

この二つを一つにまとめた形が、

I=\frac{V}{R}

です。

STEP1で学んだ比例・反比例が、
そのまま電気の現象になっています。

式変形は「求めたい文字を一人にする」

V・I・Rの公式を使ったオームの法則の式変形

元の式は、

V=IR

電流 I を求めるなら、
両辺を R で割ります。

\displaystyle \frac{V}{R}=\frac{IR}{R} I=\frac{V}{R}

抵抗 R を求めるなら、
両辺を I で割ります。

\displaystyle \frac{V}{I}=\frac{IR}{I} R=\frac{V}{I}

「Vは上、IとRは下」と場所で覚えるのではなく、
等式の両側へ同じ操作をします。

単位も式の一部として読む

オームの法則では、

1\,\mathrm{V}=1\,\mathrm{A}\times1\,\mathrm{\Omega}

が成り立ちます。

電流を求めるときは、

\mathrm{A}=\frac{\mathrm{V}}{\mathrm{\Omega}}

です。

計算後に単位がAにならなければ、
式の選び方や単位換算を確認します。

例題 答えを予想してから計算する

予想・計算・確認でオームの法則を解く手順

120 Vの電源へ、
30 Ωの抵抗を接続します。

まず、電流は何十Aではなく、
数A程度になりそうだと予想します。

\displaystyle I=\frac{V}{R}=\frac{120}{30}=4\,\mathrm{A}

次に、抵抗を60 Ωへ変えます。

抵抗は2倍なので、
電流は半分の2 Aになるはずです。

\displaystyle I=\frac{120}{60}=2\,\mathrm{A}

予想と計算結果が一致しました。

電圧と電流のグラフ

電圧と電流のグラフから抵抗の大小を読む図

抵抗が一定なら、電圧を横軸、
電流を縦軸にしたグラフは原点を通る直線です。

I=\frac{1}{R}V

グラフの傾きは、抵抗 R の逆数(1 ÷ R)です。

抵抗が小さいほど傾きは大きくなり、
同じ電圧で多くの電流が流れます。

グラフは飾りではありません。

回路の流れやすさを、
線の傾きとして見ているのです。

はるの気づき

以前の私は、V=IRの三角形を思い出せるかどうかで勝負していました。

思い出せないと、その時点で問題を諦めていました。

でも、抵抗を増やせば電流は減ると分かっていれば、
I = V × R はおかしいと気づけます。

公式を完璧に保存するより、
式が現象と合っているかを確かめる方が強いのです。

公式を覚える前に、公式を動かす。

これが、オームの法則を自分で戻せる形にする方法です。

電験3種では、ここを確認する

  • どの部分にかかる電圧か
  • どの抵抗を流れる電流か
  • V・A・Ωの単位がそろっているか
  • 抵抗を増やしたとき、答えが増える式になっていないか

まとめ

オームの法則は、三つの記号を並べた暗記式ではありません。

  • 電圧を増やすと電流は増える
  • 抵抗を増やすと電流は減る
  • 求めたい文字は、等式の両側へ同じ操作をして一人にする

次は、抵抗が一つではなく複数になったとき、
電流と電圧がどう分かれるかを見ます。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

最初の3問は、計算しません。

頭の中で答えてから、選んでください。

問1予想 ★☆☆

電圧を変えずに、抵抗だけを3倍にしました。電流はどうなりますか。

  1. ①3倍
  2. ②1/3
  3. ③変わらない
  4. ④これだけでは判断できない
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

② 1/3

流れを生み出す差は同じままです。

流れにくさだけが3倍になりました。

ここで I = V/R を思い出した人も正解です。ただ、式を思い出す前にこの向きが言えるかが、この記事の本題でした。

問2予想 ★★☆

電圧を2倍にして、同時に抵抗も2倍にしました。電流はどうなりますか。

  1. ①4倍
  2. ②2倍
  3. ③変わらない
  4. ④1/4
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

③ 変わらない

押す力が2倍になりました。

でも、通りにくさも2倍になっています。

割り算の分子と分母が両方2倍なので、答えは変わりません。

2つ同時に動いたときは、片方ずつ考える——これが式で考える意味です。

問3式を選ぶ ★☆☆

20 Ω の抵抗に、3 A の電流が流れています。この抵抗にかかる電圧を求めたい。使う式はどれですか。

  1. ①V = IR
  2. ②I = V/R
  3. ③R = V/I
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

① V = IR (V = 3 × 20 = 60 V)

求めたいのは V です。だから、V が左辺に一人でいる式を選びます。

元の式 V = IR は、すでにその形。変形は要りません。

「Vは上、IとRは下」と三角形の位置で覚えていると、ここで手が止まります。式を3つ暗記するのではなく、求めたい文字を一人にする——それだけです。

問4まちがい探し ★★☆

次の解答には誤りがあります。答えを見ただけで気づけるかを試してください。

100 V の電源に、25 Ω の抵抗をつないでいた。
この抵抗を 50 Ω に取り替えたときの電流を求める。
「抵抗が2倍になったので、I = 100 × 50 = 5000 A」
  1. ①抵抗を2倍にした、という読み取りが誤り
  2. ②割るべきところを、かけている
  3. ③抵抗が2倍なら電流も2倍が正しい
  4. ④誤りはない。計算は合っている
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

誤り:割るべきところを、かけている(正しくは I = 100 ÷ 50 = 2 A)

取り替える前は I = 100 ÷ 25 = 4 A でした。

抵抗を増やしたのに、電流が 4 A から 5000 A に増えている。

この時点で、計算を検算しなくても間違いだと分かります。

単位でも確認できます。V × Ω は A になりません。A になるのは V ÷ Ω です。 公式を完璧に保存できなくても、「増えるはずがない」と気づけるほうが、試験では強いのです。

問5計算 ★☆☆

6 V の電池に、12 Ω の豆電球をつなぎました。流れる電流は何 A ですか。

  1. ①0.5 A
  2. ②2 A
  3. ③18 A
  4. ④72 A
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

0.5 A

予想:6 を 12 で割るので、1 より小さくなります。

I = V / R = 6 ÷ 12 = 0.5 A 単位:V ÷ Ω = A ✓

「1より小さい」と先に決めておくと、答えが 2 A や 72 A になったときに、その場で気づけます。予想は、検算の代わりになります。

問6計算(電験3種の形)★★☆

ある抵抗に 100 V を加えたところ、4 A が流れました。
同じ抵抗に 150 V を加えると、電流は何 A になりますか。

  1. ①6 A
  2. ②4.5 A
  3. ③8 A
  4. ④2.7 A
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

6 A

解き方1(比例の道):電圧が1.5倍。抵抗は同じ。電流も1.5倍で 4 × 1.5 = 6 A

解き方2(Rを出す道):R = 100 ÷ 4 = 25 Ω → I = 150 ÷ 25 = 6 A

どちらでも同じ答えになります。ただ、比例が見えていると、抵抗を求める1手を省けます。試験の1問あたり数分という時間の中では、この差が効いてきます。

6問、おつかれさまでした。
問1〜問4が答えられたなら、この記事は身についています。
迷ったところがあれば、その見出しにだけ戻ってください。全部を読み直す必要はありません。


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次はSTEP2-3へ進みます。

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