【STEP2-1】電圧・電流・抵抗|回路図の3つの主役を見分ける

STEP2-1 電圧・電流・抵抗―回路図の3つの主役を学ぶアイキャッチ
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電圧・電流・抵抗のうち、電気の流れを邪魔するものはどれ?

読む前に1問。10秒で終わります。

STEP2|直流回路を読む
Lesson 1|電圧・電流・抵抗|回路図の3つの主役を見分ける

回路図を開いた瞬間、線と記号ばかりに見える。

電圧・電流・抵抗の説明を読んでも、
結局どれが何をしているのか分からない。

そんな経験はありませんか。

直流回路で最初に必要なのは、
公式を増やすことではありません。

回路の中にいる三つの主役を見分けることです。

  • 電圧は、電気を動かすための「差」
  • 電流は、回路を実際に流れている量
  • 抵抗は、電流の流れにくさ

まずは、この三つが同じものではないと分かれば十分です。

電気は「高さの差」があるから動く

水は、高い場所から低い場所へ流れます。

両側の高さが同じなら、水は流れ続けません。

電気でも、二つの点の状態に差があると電荷が動きます。

この電位の差を、電圧といいます。

V=\text{2点間の電位差}

電圧は一つの点だけに存在する量ではなく、
二つの点の差です。

そのため、電圧計は測りたい部分の両端へ並列につなぎます。

ここで大切なのは、
「電圧が流れる」と考えないことです。

流れるのは電流です。電圧は、
流れを生み出す差です。

青い線画の学習者と高さの違う水槽で電圧が2点間の差であることを示す図

電流は「ある時間に通過した電荷の量」

導線の中を電荷が移動すると、電流が流れます。

I=\frac{Q}{t}

電流 I は、時間 t の間に通過した電荷 Q の量を表します。

1 Aは、1秒間に1 Cの電荷が通過する大きさです。

1\,\mathrm{A}=1\,\mathrm{C/s}
青い線画の学習者と正電荷が1秒間に通過する様子で電流を示す図

電流計は、その場所を通過する電流を測るため、
回路へ直列につなぎます。

水の量を測る計器を、
水の通り道へ入れるイメージです。

電圧計を抵抗へ並列接続し電流計を回路へ直列接続した青い線画の比較図

なお、回路図で使う電流の向きは、
正電荷が動く向きとして決められています。

金属中の電子の移動方向とは反対ですが、
計算では回路図に示した電流方向を基準にすれば大丈夫です。

抵抗は、電流を消すものではない

抵抗は、電流の流れにくさを表します。

単位はオームです。

R\ [\mathrm{\Omega}]

抵抗があると電流は小さくなりますが、
抵抗の手前で電流が消えるわけではありません。

一本道の直列回路なら、
抵抗の前後を流れる電流は同じです。

抵抗では、電気エネルギーの一部が熱などへ変わります。

「電流を使い切る」のではなく、
「電圧が下がり、エネルギーが別の形へ移る」と考えます。

計算する前に、三つの量を動かす

同じ抵抗へ加える電圧を大きくすると、
電流はどうなるでしょうか。

電気を動かす差が大きくなり、
流れにくさが同じなら、電流は大きくなります。

反対に、電圧を同じにして抵抗を大きくすると、
電流は小さくなります。

まだ公式を使わなくても、

  • 電圧を上げる → 電流は増える
  • 抵抗を上げる → 電流は減る

と予想できます。

この予想が、次のLessonで扱うオームの法則の形になります。

電圧を上げると電流が増え抵抗を上げると電流が減る青い線画の比較図

小さな回路で確認する

10 Vの電源と、
5 Ωの抵抗をつないだ回路を考えます。

流れる電流は2 Aです。

ここで抵抗を10 Ωへ大きくすると、
電流は1 Aになります。

数字を覚える必要はありません。

「抵抗を2倍にしたら、
電流は半分になった」と変化を見ます。

STEP1で学んだ反比例が、
回路の現象として現れています。

はるの気づき

私は長い間、V・I・Rを公式の中の文字として見ていました。

だから式を忘れると、
三つとも一緒に分からなくなりました。

でも、本当に必要だったのは暗記量ではありませんでした。

「何が差で、何が流れで、何が邪魔をするのか」

この役割へ戻れるようになると、
公式を忘れても考え直せます。

分からない場所まで戻ることは後退ではなく、
回路を読み直すためのつなぎ直しです。

電験3種では、ここを確認する

問題文を読んだら、
最初に次の三つへ印を付けます。

  • 与えられた電圧
  • 流れている、または求めたい電流
  • 電流の通り道にある抵抗

次に、「一つを変えたら、
答えは増えるか減るか」を予想します。

選択肢問題では、この予想だけで不自然な答えを除けることがあります。

電圧は差・電流は流れる量・抵抗は流れにくさという役割から回路を読む流れ

まとめ

電圧は二点間の電位の差。

電流は一定時間に通過する電荷の量。

抵抗は電流の流れにくさです。

公式を見る前に、三つの役割を言葉にしてください。

次は、この関係を一つの式にしたオームの法則を扱います。

V=IRを暗記せず、
三つの量を実際に動かして読みます。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

最初の3問は、計算しません。

頭の中で答えてから、選んでください。

問1予想 ★★☆

「回路のこの点の電圧は 3 V です」という言い方は、正しいでしょうか。

  1. ①正しい
  2. ②どの点を基準にするか決めないと言えない
  3. ③電流が分からないと言えない
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

② どの点を基準にするか決めないと言えない

電圧は、一つの点だけに存在する量ではありません。

二つの点の、電位の差です。

水面の高さと同じで、どこを基準にするかを決めないと数字になりません。

電圧計を、測りたい部分の両端に並列でつなぐのは、このためです。二点を挟まなければ、差は測れません。

問2予想 ★☆☆

一本道の直列回路です。抵抗を通ったあとの電流は、通る前と比べてどうなりますか。

  1. ①小さくなる
  2. ②大きくなる
  3. ③変わらない
  4. ④抵抗の値による
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

③ 変わらない

抵抗があると電流は小さくなりますが、それは回路全体の話です。

抵抗の手前で電流が消えるわけではありません。

一本道なら、どこで測っても同じ量が通っています。減るのは電圧の方です。

問3言葉を選ぶ ★☆☆

「ある時間の間に通過した電荷の量」を表しているのは、次のどれですか。

  1. ①電圧 V[V]
  2. ②電流 I[A]
  3. ③抵抗 R[Ω]
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

② 電流 I[A]

I = Q / t 時間 t の間に通過した電荷 Q の量です。

1 A は、1秒間に 1 C の電荷が通過する大きさ。1 A = 1 C/s

電流計を直列につなぐのは、その場所を通過する量を測るからです。水の量を測る計器を、水の通り道へ入れるのと同じ。電圧計が並列、電流計が直列——役割の違いが、つなぎ方の違いになっています。

問4まちがい探し ★★☆

次の説明には誤りがあります。どこでしょうか。

「電流は電池から出て、抵抗を通るときに一部が使い切られる。だから抵抗を出たあとの電流は、入る前より小さくなる。」
  1. ①「電池から出て」という電流の向きの説明
  2. ②「電流が使い切られる」という部分
  3. ③「抵抗を通る」という表現
  4. ④誤りはない。説明は正しい
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

誤り:「電流が使い切られる」という部分

抵抗で起きているのは、電気エネルギーの一部が熱などへ変わることです。

電流そのものが減るのではありません。

「電流を使い切る」ではなく、「電圧が下がり、エネルギーが別の形へ移る」と考えます。

この誤解を持ったままだと、直列回路で「2つ目の抵抗には少ししか電流が来ない」と考えてしまい、この先ずっと答えが合わなくなります。

問5計算 ★☆☆

2 A の電流が 3 秒間流れました。この間に通過した電荷は何 C ですか。

  1. ①6 C
  2. ②1.5 C
  3. ③5 C
  4. ④0.67 C
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

6 C

I = Q/t を Q について並べ替えると Q = It

Q = 2 × 3 = 6 C

式を覚えていなくても作れます。1 A は「1秒に 1 C」なので、2 A なら「1秒に 2 C」。それが3秒で 6 C。単位の意味から式が出てきます。

問6計算(変化を読む)★★☆

10 V の電源に 5 Ω の抵抗をつなぐと、2 A が流れます。
この抵抗を 20 Ω に取り替えると、電流は何 A になりますか。

  1. ①0.5 A
  2. ②1 A
  3. ③8 A
  4. ④40 A
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

0.5 A

予想:電圧は同じで、流れにくさが 4倍。だから電流は減ります。

抵抗が 5 Ω → 20 Ω で 4倍なので、電流は 1/4。

2 × 1/4 = 0.5 A

数字を覚える必要はありません。「抵抗を4倍にしたら、電流は1/4になった」という変化を見てください。STEP1で学んだ反比例が、回路の現象として現れています。この予想が、次のLessonのオームの法則の形になります。

6問、おつかれさまでした。
問1〜問4が答えられたなら、この記事は身についています。
迷ったところがあれば、その見出しにだけ戻ってください。全部を読み直す必要はありません。


次のLessonへ
次はSTEP2-2へ進みます。

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