STEP0 数式を読む
Lesson4 公式を暗記すると忘れる理由|忘れても戻れる4つの手順
公式を覚えたはずなのに、
問題になると出てこない。
ノートに何度も書いたのに、
過去問を開くと手が止まる。
そんな経験はありませんか。
でも、忘れるのは
あなたの頭が悪いからではありません。
公式を一つの「記号の形」だけで
覚えようとしていたことも原因です。
形だけの記憶は、
問題の見た目が少し変わると
引き出しにくくなります。
問題の見た目が少し変わると
引き出しにくくなります。
書き写すだけでは「見れば分かる」で止まりやすい
公式を何度も書くことが、
無駄なわけではありません。
ただし、見本を見ながら
書き続けるだけでは、
「見れば分かる」状態と
「何も見ずに思い出せる」状態を
区別しにくくなります。
試験で必要なのは、
問題文を見て、必要な関係を自分で引き出す力です。
そのためには、公式を思い出す手掛かりを
一つではなく、いくつも持っておく必要があります。

思い出す道を一つから五つへ増やす
公式を忘れにくくするには、
次の順番で理解をつなげます。
現象 → イメージ → 言葉 → 数式 → 問題
たとえば、抵抗へ電圧を加えると電流が流れる。
その様子を回路として思い浮かべ、
電圧・電流・抵抗の関係を言葉にします。
最後に、数式へまとめます。
V = IR
V=IR
公式の形を忘れても、
現象や言葉から数式へ戻る道が残ります。

手順1 公式を隠して、意味だけを説明する
まず、公式を見ない状態にします。
そして、記号を書く前に
何が起きているのかを一文で説明します。
オームの法則なら、
「電圧・電流・抵抗の関係を表している」
と説明できれば十分です。
最初から完璧な言葉にする必要はありません。
自分の言葉で意味を出すことが、
記憶から取り出す練習になります。
手順2 増える・減る関係を予想する
次に、数字を入れずに変化を考えます。
抵抗が同じまま電圧を2倍にしたら、
電流はどうなるでしょうか。
流れを押す力が2倍になり、
流れにくさが変わらないなら、電流も2倍です。
この予想ができれば、
公式を丸ごと忘れていても形を絞れます。
I = V / R
I=\frac{V}{R}
Vが上にあり、Vが増えるとIも増える。
Rが下にあり、Rが増えるとIは減る。
式の形と、電気の変化が一致しています。

手順3 求めたい文字の形を自分で作る
V=IRを覚え直すだけでなく、
求めたい文字を一人にします。
電流Iを求めるなら、両辺をRで割ります。
V / R = IR / R
\displaystyle \frac{V}{R}=\frac{IR}{R}
I = V / R
I=\frac{V}{R}
変形した式をもう一つの公式として
丸暗記する必要はありません。
元の関係から作り直せれば、
記憶があいまいなときも戻ってこられます。
手順4 小さな数字で答えを確かめる
最後に、簡単な数字を入れて確認します。
電圧100V、抵抗20Ωなら、
I = 100 / 20 = 5 A
\displaystyle I=\frac{100}{20}=5\,\mathrm{A}
抵抗を40Ωにすると、
I = 100 / 40 = 2.5 A
\displaystyle I=\frac{100}{40}=2.5\,\mathrm{A}
抵抗が2倍になり、電流は半分になりました。
計算結果が最初の予想と一致しています。
この「予想→計算→確認」が、
公式の意味を記憶へ残していきます。
1分でできる復習方法
① 公式を10秒だけ見る
② 公式を隠す
③ 記号の意味を声に出す
④ 増減関係を一つ説明する
⑤ 何も見ずに式を書く
間違えても、すぐ答えを見て終わらせません。
どこから思い出せなかったのかを確認し、
もう一度隠して書きます。
長時間の書き写しより、
短時間でも「思い出す」動作を
入れることが大切です。

STEP0修了チェック
次の五つを、公式を見ずに確認してみましょう。
□ V・I・Rが何を表すか説明できる
□ 「=」は左右が等しいという意味だと分かる
□ P=VIを一つの文章にできる
□ I=V/Rから増える・減るを予想できる
□ 求めたい文字と答えの単位を確認できる
三つ以上できたら、STEP1へ進んで大丈夫です。
まだ難しければ、Lesson3とLesson4を
一度だけ読み返してみてください。
全部できるまで、ここに留まる必要はありません。
STEP1で実際に使いながら、
少しずつ読めるようになれば大丈夫です。

まとめ
公式を忘れるのは、
記憶力だけの問題ではありません。
記号の形だけで覚えると、
思い出す手掛かりが一つしかないからです。
現象・イメージ・言葉・数式・問題をつなげる。
そして、見本を隠して一度思い出してみる。
公式は、忘れないことより、戻れることが大切です。
意味へ戻る道があれば、
少し忘れても自分で組み立て直せます。
次の記事
次はSTEP1へ
次は、STEP1「数式を使う」です。
Lesson1:分数・比・逆数
電気数学で何度も使う
「分数・比・逆数」を整理します。
式変形で手が止まる人も、
ここから一つずつ戻れば大丈夫です。
公式LINE
「わかった」を「解けた」に変える
電気数学ドリルを用意しています。



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