Lesson5 連立方程式|二つの条件から答えを絞る
文字が二つ出てきた瞬間、
どちらから手をつければよいか
分からなくなる。
式を一つずつ見ても、
答えが決まらないように感じる。
連立方程式で手が止まる理由は、
計算が難しいからだけではありません。
二つの式を、別々の問題だと
思ってしまうからです。
連立方程式は、二つの条件を同時に満たす答えを探す方法です。
条件が一つ増えるたびに、
答えの候補が少しずつ絞られていきます。

文字が二つなら、独立した条件も二つ必要
xとyという二つの未知数があるとします。
x + y = 7
x+y=7
この式だけでは、
x=1、y=6でも、x=2、y=5でも成り立ちます。
答えは一つに決まりません。
そこで、もう一つの条件を加えます。
x − y = 1
x-y=1
二つの式を同時に満たす組を探すと、
x=4、y=3に絞られます。
未知数が二つなら、
通常は互いに独立した式も二つ必要です。
加減法は、同じ文字を消して一人にする
次の二つの式を使います。
2x + y = 11
\displaystyle 2x+y=11
x − y = 1
\displaystyle x-y=1
上の式と下の式を足すと、
+yと−yが打ち消し合います。
3x = 12
3x=12
x = 4
x=4
xが分かったら、元の式へ戻します。
4 − y = 1
\displaystyle 4-y=1
y = 3
y=3
加減法の目的は、二つの式を足したり引いたりして、どちらか一方の文字を消すことです。

係数がそろっていないときは、式全体を掛ける
文字の前の数が同じでないと、
そのまま足しても文字は消えません。
2x + y = 8
\displaystyle 2x+y=8
x + y = 5
\displaystyle x+y=5
この場合は、そのまま二つの式を引けば
yが消えます。
x = 3
x=3
必要なら、一方または両方の式全体へ数を掛け、
消したい文字の係数をそろえます。
式の一部分だけに掛けないよう注意してください。
代入法は、一つの文字を別の表現に置き換える
次のように、xがすでに一人になっている式なら、
代入法が使いやすくなります。
x = y + 1
\displaystyle x=y+1
2x + y = 9
\displaystyle 2x+y=9
二つ目の式のxを、y+1へ置き換えます。
2(y + 1) + y = 9
\displaystyle 2(y+1)+y=9
3y + 2 = 9
\displaystyle 3y+2=9
y = 7 / 3
y=\frac{7}{3}
その後、x=y+1へ戻せばxも求められます。
代入法は、ある文字の正体を
別の式へそのまま入れる方法です。

電気回路では、複数の条件が同時に成り立つ
電気回路では、
一つの電流だけを考えればよいとは
限りません。
分岐点では電流の関係があり、
閉じた回路では電圧の関係があります。
I₁ = I₂ + I₃
I_1=I_2+I_3
これは、分岐点へ入る電流と
出ていく電流の合計が等しいという条件です。
さらに各枝の電圧や抵抗から、
別の条件が生まれます。

キルヒホッフの式も、連立方程式になる
二つのループ電流I₁、I₂を置くと、
たとえば次のような形になります。
2I₁ + I₂ = 5
\displaystyle 2I_1+I_2=5
I₁ − I₂ = 1
\displaystyle I_1-I_2=1
二つ目の式からI₁=I₂+1。
これを一つ目へ代入します。
2(I₂ + 1) + I₂ = 5
\displaystyle 2(I_2+1)+I_2=5
I₂ = 1 A, I₁ = 2 A
I_2=1\,\mathrm{A},\quad I_1=2\,\mathrm{A}
回路が複雑に見えても、
数学としては二つの条件から二つの電流を求めています。
最後は必ず、二つの式へ戻して確認する
x=4、y=3を最初の例へ戻します。
2×4 + 3 = 11
\displaystyle 2\times4+3=11
4 − 3 = 1
\displaystyle 4-3=1
両方の式を満たしているので、
答えは正しいと確認できます。
連立方程式は途中計算が長くなりやすいため、
代入による確認が強い味方になります。
よくある四つの間違い
① 式の一部分だけに数を掛ける
係数をそろえるときは式全体へ掛けます。
② 引き算で符号を落とす
かっこを付け、式全体を引きます。
③ 一つ求めて終わる
未知数が二つなら、
もう一方も元の式から求めます。
④ 一つの式だけで確認する
最後は二つの式の両方へ代入します。
まとめ
連立方程式は、
二つの条件を同時に満たす
答えを探す方法です。
加減法は、同じ文字を打ち消します。
代入法は、一つの文字を
別の表現へ置き換えます。
どちらの方法でも、
目的は未知数を一人にすることです。
回路の式が二本並んでも、二つの手掛かりがそろったと考えてください。
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三角比
次は、直角三角形の辺の関係から、
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加減法と代入法を、回路の電流で練習できる
電気数学ドリルを用意しています。



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