Lesson8 電磁誘導|磁束が変わると電圧が生まれる

ここからは、
磁界が力を生む話から、
磁束の変化が電圧を生む話へ進みます。
磁気で手が止まりやすいのは、
公式が多いからだけではありません。
磁束が存在するだけで誘導起電力が生じると思うこと。
このLessonでは、
式を選ぶ前に「原因 → 磁界・磁束 → 結果」の順番を図にします。
磁気は、
矢印を描いてから式を選ぶ。
まず、現象を言葉で読む

電磁誘導の原因は磁束そのものではなく、
コイルを貫く磁束の変化です。
磁石とコイルが止まって磁束が一定なら、
磁束が大きくても起電力は生じません。
巻数が多い、
磁束変化が大きい、
変化時間が短いほど誘導起電力は大きくなります。
- 原因は磁束の変化
- 巻数Nが多いほど大きい
- 変化量ΔΦが大きいほど大きい
- 短時間の変化ほど大きい
計算前に、増減と向きを予想する

公式へ数字を入れる前に、
何を大きくすると答えが増えるか、
どの矢印が原因かを確認します。
負号は大きさが負という意味ではなく、
変化を妨げる向きに起電力が生じることを表します。
向きはLesson9で扱います。
小さな数字で確認する

N=200回、
磁束が0.010 Wbから0.004 Wbへ0.20 sで変化すると、
起電力の大きさは200×0.006/0.20=6.0 Vです。
計算結果だけで終わらず、
最初の予想と一致したかを確かめてください。
予想と逆なら、
計算より先に式の分子・分母、
角度、
単位を見直します。
向きを決める道具を選ぶ

| 知りたいもの | 分かっているもの | 使う考え方 |
|---|---|---|
| 電流がつくる磁界 | 電流の向き | 右ねじ |
| 導体が受ける力 | 磁界と電流 | フレミング左手 |
| 運動で生じる起電力 | 磁界と運動 | フレミング右手 |
| 誘導電流 | 磁束の増減 | レンツの法則 |
手の形を作る前に、「今回は何を求めるのか」を一行で書きます。
はるの気づき
「強い磁石なら電圧が出る」と思っていました。
けれど磁石を止めると電圧計は0に戻ります。
必要なのは強さだけでなく変化。
この一語が電磁誘導の中心です。
分からない場所へ戻ることは、
後退ではありません。
矢印と原因をつなぎ直す作業です。
電験3種では、ここを確認する
- 磁束一定なら起電力0
- ΔΦは後−前だが大きさ問題では絶対値
- mWbをWbへ直す
数値が出たら単位を先にそろえ、
向きが出たら「・=手前」「×=奥」を図へ書き込みます。
まとめ
電磁誘導の原因は磁束そのものではなく、
コイルを貫く磁束の変化です。
磁石とコイルが止まって磁束が一定なら、
磁束が大きくても起電力は生じません。
巻数が多い、
磁束変化が大きい、
変化時間が短いほど誘導起電力は大きくなります。
次はLesson9「レンツの法則と導体の運動」です。
本文の「現象 → 矢印 → 予想 → 式」を、
自分で再現できるか6問で確認します。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1予想
同じ磁束変化で巻数を2倍にすると起電力は何倍ですか。
答えを見る
2倍
eはNに比例します。
問2予想
同じ変化量を半分の時間で起こすと起電力は何倍ですか。
答えを見る
2倍
変化率が2倍です。
問3条件
誘導起電力が生じる条件を一言で答えてください。
答えを見る
磁束が変化すること
磁束の存在だけでは不足です。
問4まちがい探し
磁束が一定でも大きければ起電力が生じるとした。
答えを見る
変化がないので生じない
ΔΦ=0ならe=0です。
問5計算
N=100、ΔΦ=0.020 Wb、Δt=0.50 sの起電力の大きさを求めてください。
答えを見る
4.0 V
100×0.020/0.50です。
問6計算
e=6.0 V、N=300、Δt=0.20 sのΔΦを求めてください。
答えを見る
4.0×10⁻³ Wb
ΔΦ=eΔt/Nです。



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