なぜ?04 なぜオームの法則は V=IR なの?

電験三種の勉強を始めると、
最初に覚える公式があります。

V=IR

私は以前、V・I・Rの位置を
三角形で覚えていました。

電圧を求めるときは掛け算。
電流と抵抗を求めるときは割り算。

計算はできても、
「なぜこの形なの?」と
聞かれると説明できませんでした。

今回は、三つの公式を覚えるのではなく、
これまでの二つの「なぜ」を一つにつなげます。

まず、何を変えたらどうなるか

電池と抵抗を流れる電荷の回路図
電圧が電荷を動かし、抵抗が流れ方を決めます。

同じ抵抗へ加える電圧を2倍にすると、
電流も2倍になります。

I\propto V

電流は電圧に比例します。

次に、電圧を変えずに抵抗を2倍にすると、
電流は半分になります。

I\propto\frac{1}{R}

電流は抵抗に反比例します。

この二つを同時に表すと、

I\propto\frac{V}{R}

となります。

つまり電流は、動かすもとになる差が大きいほど増え、
流れにくさが大きいほど減ります。

比例を等式にする

比例の記号 \propto は、
「同じ割合で変わる」という意味です。

これを等式にするには、比例定数が必要です。

電圧をV、電流をI、流れにくさを表す量をRと定めると、

I=\frac{V}{R}

となります。

両辺へRを掛ければ、

V=IR

です。

V=IRは、突然生まれた文字の並びではありません。

電圧を大きくすると電流が増える。

抵抗を大きくすると電流が減る。

この二つの観察を一つの式にしたものです。

抵抗Rは、VとIの比

式をRについて並べ替えると、

R=\frac{V}{I}

となります。

同じ電流を流すために
大きな電圧が必要なものほど、
抵抗が大きいと読めます。

例えば、1 Aを流すために、

  • 2 V必要なら2 Ω
  • 10 V必要なら10 Ω

です。

抵抗とは、単に部品へ書かれた
数字ではありません。

どれだけの電圧をかけたとき、
どれだけの電流が流れるかを表す比です。

単位にも意味がある

1 Ωとは、1 Vの電圧をかけたときに
1 Aが流れる抵抗です。

1\,\Omega=\frac{1\,\mathrm{V}}{1\,\mathrm{A}}

したがって、

1\,\mathrm{V}=1\,\mathrm{A}\times1\,\Omega

となります。

単位まで読めれば、
掛け算か割り算かを忘れても戻れます。

電流を求めるなら、VをΩで割ってAにする。

抵抗を求めるなら、VをAで割ってΩにする。

すべての部品でV=IRになるわけではない

ここは大切な注意です。

V=IRのRを一定として扱えるのは、
電圧と電流が比例する範囲です。

この関係に従う抵抗体を、
オーム性の抵抗と呼びます。

電球のフィラメントは温度が上がると抵抗が変わります。ダイオードは電圧と電流が直線的な比例関係になりません。

電験三種の基本的な抵抗回路では、特に条件がなければRを一定として計算します。ただし、グラフや温度特性が与えられた場合は、その条件を読みます。

小さな数字で確かめる

同じ電圧で抵抗の大きさにより電流が変わる比較図
同じ電圧なら、抵抗が大きいほど流れる電流は小さくなります。

6 Ωの抵抗へ12 Vを加えます。

I=\frac{12}{6}=2\,\mathrm{A}

電圧を24 Vへ2倍にすると、

I=\frac{24}{6}=4\,\mathrm{A}

電流も2倍です。

今度は電圧を12 Vへ戻し、抵抗を12 Ωへ2倍にすると、

I=\frac{12}{12}=1\,\mathrm{A}

電流は半分です。

公式へ数字を入れる前に、この増減を予想してください。

まとめ

オームの法則がV=IRになるのは、電流が電圧に比例し、抵抗に反比例するからです。

I=\frac{V}{R}

を並べ替えたものが、

V=IR

です。

三つの公式を別々に覚える必要はありません。

現象へ戻り、増えるか減るかを予想し、必要な文字を一人にする。それが、公式を忘れても戻れる方法です。

次の「なぜ?」へ

次は、

なぜ?05 電圧は「どこ」にあるの?

を考えます。

「ここに100 Vある」と言うとき、その100 Vは一つの点にあるのでしょうか。電圧計を並列につなぐ理由までつなげます。

確認問題

1. 抵抗が一定のとき、電圧を3倍にすると電流はどうなりますか。
2. 電圧が一定のとき、抵抗を4倍にすると電流はどうなりますか。
3. 20 Vを加えて4 Aが流れる抵抗は何Ωですか。

答え

1. 3倍
2. 1/4
3. 5 Ω

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