STEP4で、コイルは電流の変化を妨げると学びました。交流では変化が続くため、その性質が位相差として現れます。
交流で手が止まりやすいのは、「コイルは電流が90°遅れる」を理由なしに暗記し、周波数との関係を読まないことです。
交流は、波形を描いてから位相を読み、ベクトルにしてから式を選ぶ。
まず、現象を言葉で読む
純コイルでは、変化する電流が自己誘導起電力を生み、電流の変化を妨げます。そのため電流は電圧より90°遅れます。交流を流れにくくする大きさを誘導性リアクタンスXLといい、周波数とインダクタンスに比例します。
- 電流は電圧より90°遅れる
- XLはfに比例
- XLはLに比例
- 同じVならXLが大きいほどIは小さい

波形と位相をつなぐ
横軸の時間、縦軸の大きさと向きを確認します。次に、同じ状態へどちらが先に着くかを見て、進み・遅れを決めます。

公式は、図の関係を短く書いたもの
X_L=\omega L=2\pi fL,\qquad I=\frac{V}{X_L}fまたはLが大きいほどXLが大きくなり、同じ電圧なら電流は小さくなります。直流の定常状態ではf=0なのでXL=0です。

小さな数字で確認する
f=50 Hz、L=0.20 HならXL=2π×50×0.20=20π≈62.8 Ω。V=100 VならI≈1.59 Aです。

電験3種での読み方
- 実効値と周波数を確認する
- 直列か並列か、共通量を決める
- 進み・遅れを波形またはベクトルに描く
- 単位をそろえてから式へ入れる
まとめ
純コイルでは、変化する電流が自己誘導起電力を生み、電流の変化を妨げます。そのため電流は電圧より90°遅れます。交流を流れにくくする大きさを誘導性リアクタンスXLといい、周波数とインダクタンスに比例します。
次はLesson7「コンデンサの交流回路」です。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1 予想
Lを3倍にするとXLは何倍ですか。
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3倍
XLはLに比例します。
問2 位相
純コイルの電流は電圧に対してどうなりますか。
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90°遅れる
自己誘導が変化を妨げます。
問3 式選択
誘導性リアクタンスの式は何ですか。
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XL=2πfL
周波数とLに比例します。
問4 まちがい探し
周波数が高いほどコイルに電流が流れやすいとした。
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XLが増えて流れにくくなる
I=V/XLです。
問5 計算
f=50 Hz、L=0.10 HのXLを求めてください。
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約31.4 Ω
2π×50×0.10です。
問6 計算
V=62.8 V、XL=31.4 Ωの電流を求めてください。
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2.0 A
V/XLです。



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