Lesson10 自己誘導・相互誘導と磁気エネルギー|コイルが変化を嫌う理由

電磁誘導をコイル自身の電流変化へ戻すと、
自己誘導になります。
別のコイルへ伝われば相互誘導です。
磁気で手が止まりやすいのは、
公式が多いからだけではありません。
コイルを「電流を通さない部品」と考え、
一定電流と変化中の電流を区別しないこと。
このLessonでは、
式を選ぶ前に「原因 → 磁界・磁束 → 結果」の順番を図にします。
磁気は、
矢印を描いてから式を選ぶ。
まず、現象を言葉で読む

コイルは一定の電流を妨げるのではなく、
電流の急な変化を妨げます。
自分の電流変化が自分に起電力を生むのが自己誘導、
一次コイルの磁束変化が二次コイルへ起電力を生むのが相互誘導です。
コイルは磁界としてエネルギーを蓄えます。
- Lは電流変化への抵抗の強さ
- 一定電流なら自己誘導起電力0
- 相互誘導は磁束変化の受け渡し
- 磁気エネルギーはIの2乗に比例
計算前に、増減と向きを予想する

公式へ数字を入れる前に、
何を大きくすると答えが増えるか、
どの矢印が原因かを確認します。
短時間で大きく電流を変えるほど起電力が大きく、
電流を2倍にすると蓄積エネルギーは4倍です。
小さな数字で確認する

L=0.50 H、
電流が0 Aから4.0 Aへ0.20 sで変化すると、
起電力の大きさは0.50×4.0/0.20=10 V。
蓄積エネルギーは0.5×0.50×4.0²=4.0 Jです。
計算結果だけで終わらず、
最初の予想と一致したかを確かめてください。
予想と逆なら、
計算より先に式の分子・分母、
角度、
単位を見直します。
向きを決める道具を選ぶ

| 知りたいもの | 分かっているもの | 使う考え方 |
|---|---|---|
| 電流がつくる磁界 | 電流の向き | 右ねじ |
| 導体が受ける力 | 磁界と電流 | フレミング左手 |
| 運動で生じる起電力 | 磁界と運動 | フレミング右手 |
| 誘導電流 | 磁束の増減 | レンツの法則 |
手の形を作る前に、「今回は何を求めるのか」を一行で書きます。
はるの気づき
コイルは電流を止める、
と覚えていたので直流で電流が流れる理由が分かりませんでした。
止めるのは電流ではなく変化。
この言い換えが交流の位相へつながります。
分からない場所へ戻ることは、
後退ではありません。
矢印と原因をつなぎ直す作業です。
電験3種では、ここを確認する
- mHをHへ直す
- 一定電流ならΔI=0
- エネルギーの1/2とI²
数値が出たら単位を先にそろえ、
向きが出たら「・=手前」「×=奥」を図へ書き込みます。
まとめ
コイルは一定の電流を妨げるのではなく、
電流の急な変化を妨げます。
自分の電流変化が自分に起電力を生むのが自己誘導、
一次コイルの磁束変化が二次コイルへ起電力を生むのが相互誘導です。
コイルは磁界としてエネルギーを蓄えます。
次はLesson11「磁気の過去問へ」です。
本文の「現象 → 矢印 → 予想 → 式」を、
自分で再現できるか6問で確認します。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1予想
同じ時間で電流変化を2倍にすると起電力は何倍ですか。
答えを見る
2倍
eはΔIに比例します。
問2予想
電流を2倍にすると磁気エネルギーは何倍ですか。
答えを見る
4倍
WはI²に比例します。
問3言葉
別のコイルの磁束変化で起電力が生じる現象を何といいますか。
答えを見る
相互誘導
変圧器の土台です。
問4まちがい探し
一定電流が流れている間、
自己誘導起電力が常に生じるとした。
答えを見る
ΔI=0なら起電力0
変化が原因です。
問5計算
L=0.20 H、ΔI=3.0 A、Δt=0.10 sの起電力の大きさを求めてください。
答えを見る
6.0 V
0.20×3.0/0.10です。
問6計算
L=0.50 H、I=2.0 Aの磁気エネルギーを求めてください。
答えを見る
1.0 J
0.5×0.50×2.0²です。



コメント