Lesson10 共振・交流電力・力率|打ち消し合いと有効な電力を読む
LとCは互いに反対向きの性質を持ちます。その差が0になる場面が共振です。さらに、その位相差は電力が仕事へ使われる割合にも関わります。
交流で止まりやすいのは、共振と力率を別の公式として暗記し、どちらも位相差に関係することを見失うことです。
今日のゴール
共振で何が打ち消し合うかを説明し、位相差と力率が電力にどう関わるかを分けて読めるようになる。
まず、現象を言葉で読む
直列RLC回路ではXL=XCになるとリアクタンスが打ち消され、Z=R、電流最大、位相差0、力率1になります。これが直列共振です。交流電力は、実際に仕事や熱になる有効電力P、往復する無効電力Q、両方を含む皮相電力Sに分けます。
- 共振ではXLとXCの差を見る
- 電力ではP・Q・Sの単位を分ける
- 力率はP/S、位相差0°なら1と確認する
ここでは、次の図で何が先に起き、何が後から変わるのかを見ます。

前半:共振は、LとCの差が0になる状態
直列RLCで XL=XC になると、上向きと下向きの成分が打ち消し合います。残るのは抵抗Rだけなので、Zは最小、電流は最大、電圧と電流の位相差は0°になります。ここで一度、共振の結論を図で確認します。
図を見たら、公式へ進む前に自分の言葉で一度説明してみてください。

公式は、図の関係を短く書いたもの
f_0=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}},\quad P=VI\cos\theta,\quad S=VI,\quad Q=VI\sin\theta後半では電力を読みます。皮相電力Sのうち、実際に仕事や熱になる部分が有効電力Pです。P=VIcosθなので、位相差が小さいほど力率は1に近づきます。

小さな数字で確認する
V=100 V、I=5 A、力率0.8なら S=500 VA、P=400 Wです。共振の「差が0」と、力率の「位相差が小さい」を同じ図へ戻して確認します。
数字を入れた後も、最初に予想した向きや増減と合うかを確かめます。

電験3種での読み方
- 共振ではXLとXCの差を見る
- 電力ではP・Q・Sの単位を分ける
- 力率はP/S、位相差0°なら1と確認する
まとめ
共振と力率はどちらも、位相のずれを読む問題です。最後に、これまでの判断順を一問へまとめます。
次はLesson11「交流回路の過去問へ」です。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1 予想
位相差が0°に近づくと力率はどうなりますか。
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1へ近づく
cos0°=1です。
問2 言葉
実際に仕事や熱になる電力を何といいますか。
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有効電力
単位はWです。
問3 式選択
共振周波数の式は何ですか。
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f0=1/(2π√LC)
LとCで決まります。
問4 まちがい探し
力率をS/Pとして計算した。
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P/Sが正しい
有効電力÷皮相電力です。
問5 計算
V=100 V、I=4 A、力率0.75のPを求めてください。
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300 W
100×4×0.75です。
問6 計算
P=600 W、S=750 VAの力率を求めてください。
答えを見る
0.8
600/750です。



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