【STEP2-6】ブリッジ回路|中央に電流が流れない条件を見抜く

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平衡しているブリッジ回路では、中央の枝に流れる電流は?

読む前に1問。10秒で終わります。

STEP2|直流回路を読む
Lesson 6|ブリッジ回路|中央に電流が流れない条件を見抜く

ひし形の中央に抵抗や検流計がある。
どこから合成すればよいか分からず、手が止まる。

ブリッジ回路では、
最初から5本すべてを計算しないことが大切です。

まず見るのは、中央の枝そのものではありません。

中央枝の両端に、
電位差があるかを見ます。

両端が同じ電位なら、
中央には電流が流れません。

電流が流れないのは、抵抗が大きいからではない

ブリッジ回路の左右の中点が同電位になり中央電流が0になる図

中央枝の電流を I_g、
両端の電位差を V_g、抵抗を R_g とします。

I_g=\frac{V_g}{R_g}

中央の両端が同電位なら、

V_g=0

したがって、

I_g=0

です。

抵抗値がたまたま大きいからではありません。

電流を動かす電位差そのものがないため、
中央枝には電流が流れないのです。

同じ高さの二つの水面をつないでも流れないことを示す図

同じ高さの水面を管でつないでも、
水は一方向へ流れません。

ブリッジ回路でも、
中央の二点が同じ電位なら同じことが起きます。

平衡条件は、左右の分圧が等しい条件

左右の直列枝の分圧が等しく中点電位が一致する図

左側の直列枝を R_1・R_2、
右側を R_3・R_4 とします。

電源電圧を E とすると、
左側の中点電位 V_A は、

V_A=E\frac{R_2}{R_1+R_2}

右側の中点電位 V_B は、

V_B=E\frac{R_4}{R_3+R_4}

平衡しているときは、
二つの中点電位が等しくなります。

V_A=V_B

この条件を整理すると、

\frac{R_1}{R_2}=\frac{R_3}{R_4}

積の形では、

R_1R_4=R_2R_3

となります。

この式だけを「斜め掛け」として覚えると、
抵抗の配置が変わったときに迷います。

二つの直列枝で、
同じ割合だけ電圧が下がった結果、

中点の電位が等しくなると考えてください。

例題 未知抵抗を求める

ブリッジが平衡し、
次の抵抗値が与えられたとします。

R_1=10\,\Omega,\quad R_2=20\,\Omega,\quad R_3=15\,\Omega

未知抵抗を R_4 とすると、

\frac{10}{20}=\frac{15}{R_4} 10R_4=300 R_4=30\,\Omega
平衡条件の比例式から未知抵抗30オームを求める手順

比を確認すると、
左右とも1:2です。

計算が終わったら、
元の抵抗比へ戻って確かめます。

平衡しているときは、中央枝を外して考えられる

中央電流が0なら、
その枝は回路全体の電流へ影響しません。

平衡時に中央枝を外し二つの直列枝として整理する図

左右の直列枝が、
並列になった回路として整理できます。

ただし、平衡していないときに、
中央枝を勝手に消してはいけません。

先に抵抗比または中点電位を確認し、
中央電流が0と分かってから簡略化します。

はるの気づき

私はブリッジ回路を見ると、
5本すべての抵抗を計算しようとしていました。

だから、どこから手を付ければよいか分からず、
回路図を眺めたまま止まっていました。

でも中央枝に流れないと分かれば、
回路は急に二つの直列枝へ戻ります。

複雑な回路ほど、計算を増やす前に、
「ゼロになる量はないか」を探す。

これはブリッジ回路以外の過去問でも、
使える視点です。

電験3種では、ここを確認する

問題文と回路図を見たら、
次の順番で確認します。

  • 平衡しているという条件があるか
  • 中央枝の両端が同電位か
  • 抵抗比の対応を回路上で追ったか
  • 平衡後の簡略回路を描き直したか

斜めの位置だけで抵抗を選ばず、
同じ直列枝の上と下を対応させます。

まとめ

ブリッジ回路の中心は、
斜め掛けの公式ではありません。

中央の両端が同電位なら、
電位差が0になり、中央電流も0になります。

平衡条件は、
二つの分圧の結果が等しくなる条件です。

計算を始める前に、
中央の二点を見てください。

次は、直列にも並列にも見えない三角形の抵抗網を、
Δ-Y変換で解ける形へ組み替えます。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

最初の3問は、計算しません

頭の中で答えてから、選んでください。

問1予想 ★★☆

平衡しているブリッジで、中央に電流が流れないのはなぜですか。

  1. 中央の抵抗が大きいから
  2. 中央の両端が同じ電位で、電位差が 0 だから
  3. 中央の抵抗が小さいから
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

② 中央の両端が同じ電位で、電位差が 0 だから

中央枝の電流は I_g = V_g / R_g です。

両端が同電位なら V_g = 0。だから I_g = 0 になります。

抵抗値がたまたま大きいからではありません。

同じ高さの水面を管でつないでも、水は一方向へ流れません。電流を動かす電位差そのものがない——これが理由です。

問2予想 ★★☆

平衡しているブリッジから、中央の枝を取り外しました。全体の合成抵抗はどうなりますか。

  1. 大きくなる
  2. 小さくなる
  3. 変わらない
  4. 判断できない
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

③ 変わらない

中央電流が 0 なら、その枝は回路全体の電流へ影響していません。

流れていないものを外しても、何も変わりません。

これで、5本すべてを計算する必要がなくなります。左右の直列枝が、並列になっただけの回路に戻ります。

問3条件を選ぶ ★★☆

平衡条件 R₁R₄ = R₂R₃ は、もともと何を言っている式ですか。

  1. 斜めに掛けた抵抗が等しい、という決まり
  2. 左右の枝で、同じ割合だけ電圧が下がっている
  3. 左右の枝の合成抵抗が等しい
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

② 左右の枝で、同じ割合だけ電圧が下がっている

左の中点電位は V_A = E × R₂/(R₁+R₂)

右の中点電位は V_B = E × R₄/(R₃+R₄)

この二つが等しい、というのが平衡です。整理すると R₁/R₂ = R₃/R₄、積の形にすると R₁R₄ = R₂R₃

「斜め掛け」だけを覚えると、抵抗の配置が変わったときに迷います。元は分圧の話——二つの直列枝が同じ割合で電圧を下げた結果、中点の電位が等しくなる。そう考えておけば、記号の並びが変わっても自分で作り直せます。

問4まちがい探し ★★★

次の解答には誤りがあります。どこでしょうか。

R₁ = 2 Ω、R₂ = 4 Ω、R₃ = 3 Ω、R₄ = 5 Ω のブリッジ回路。
「ブリッジ回路なので中央には電流が流れない。よって中央枝を外し、合成抵抗は (2+4) と (3+5) の並列で 6×8/14 ≒ 3.4 Ω
  1. 合成抵抗の計算式そのものが違う
  2. 平衡を確認しないまま、中央枝を消している
  3. 中央枝は、どんなときも外してはいけない
  4. 誤りはない。計算は合っている
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

誤り:平衡を確認しないまま、中央枝を消している

確認すると R₁R₄ = 2×5 = 10R₂R₃ = 4×3 = 12。等しくありません。

比で見ても、左は 2:4 = 1:2、右は 3:5。同じ割合ではありません。

平衡していない=中央枝に電流が流れているので、外すことはできません。

「ブリッジ回路だから中央は0」ではなく、「平衡しているから中央は0」です。

ブリッジの問題で最初にやるのは、計算ではありません。平衡条件があるか/中央の両端が同電位かを確認することです。この10秒を飛ばさないでください。平衡していなければ、Δ-Y変換やキルヒホッフへ進みます。

問5計算 ★★☆

R₁ = 2 Ω、R₂ = 4 Ω、R₃ = 3 Ω、R₄ = X。
このブリッジが平衡するとき、X は何 Ω ですか。

  1. X = 6 Ω
  2. X = 1.5 Ω
  3. X = 10 Ω
  4. X = 2.5 Ω
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

X = 6 Ω

分圧が等しい条件:R₁/R₂ = R₃/R₄2/4 = 3/X

2X = 12X = 6 Ω

比で確かめます。左は 2:4 = 1:2、右は 3:6 = 1:2。左右とも 1:2 で一致 ✓

計算が終わったら、必ず元の抵抗比へ戻って確かめてください。斜めの位置だけで抵抗を選ばず、同じ直列枝の上と下を対応させます。未知の抵抗を精密に測るホイートストンブリッジは、この性質を使った測定器です。

問6計算(電験3種の形)★★★

問5の平衡状態(R₁=2、R₂=4、R₃=3、R₄=6)のとき、
このブリッジ全体の合成抵抗は何 Ω ですか。

  1. 3.6 Ω
  2. 15 Ω
  3. 2.4 Ω
  4. 7.5 Ω
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

3.6 Ω

手順1:平衡を確認する。左 2:4、右 3:6、どちらも 1:2 ✓

手順2:平衡なので中央枝を外し、回路を描き直す。

手順3:左の枝 2+4 = 6 Ω、右の枝 3+6 = 9 Ω

手順4:この2本が並列。(6×9)/(6+9) = 54/15 = 3.6 Ω

検算:並列なので、小さい方の 6 Ω より必ず小さくなるはず。3.6 Ω ✓

5本すべてを計算しようとすると、どこから手を付ければよいか分からなくなります。複雑な回路ほど、計算を増やす前に「ゼロになる量はないか」を探す。これはブリッジ以外の過去問でも使える視点です。

6問、おつかれさまでした。
問1〜問4が答えられたなら、この記事は身についています。
迷ったところがあれば、その見出しにだけ戻ってください。全部を読み直す必要はありません。


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次はSTEP2-7へ進みます。

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