Lesson9 レンツの法則と導体の運動|変化を打ち消す向きを決める
Lesson8で誘導起電力の大きさを読みました。
ここでは負号が示す「向き」を四手順で決めます。
磁気で手が止まりやすいのは、
公式が多いからだけではありません。
レンツの法則を「いつも逆向き」と覚え、
何に対して逆なのかを言えないこと。
このLessonでは、
式を選ぶ前に「原因 → 磁界・磁束 → 結果」の順番を図にします。
磁気は、
矢印を描いてから式を選ぶ。
まず、現象を言葉で読む
誘導電流は、
外から加えられた磁束そのものではなく、
その増減を妨げる磁束をつくります。①外部磁束の向き、②増加か減少か、③妨げる磁束の向き、④その磁束をつくる電流の向き、
の順に決めます。
- 外部磁束の向きを描く
- 増加・減少を書く
- 変化を妨げる磁束を描く
- 右ねじで電流へ戻す
計算前に、増減と向きを予想する
公式へ数字を入れる前に、
何を大きくすると答えが増えるか、
どの矢印が原因かを確認します。
導体が磁界を横切って動くときの起電力です。B・有効長ℓ・速度vに比例します。
向きはフレミング右手で確認します。
小さな数字で確認する
B=0.80 T、ℓ=0.25 m、v=3.0 m/sなら、e=0.80×0.25×3.0=0.60 Vです。
計算結果だけで終わらず、
最初の予想と一致したかを確かめてください。
予想と逆なら、
計算より先に式の分子・分母、
角度、
単位を見直します。
向きを決める道具を選ぶ
| 知りたいもの | 分かっているもの | 使う考え方 |
|---|---|---|
| 電流がつくる磁界 | 電流の向き | 右ねじ |
| 導体が受ける力 | 磁界と電流 | フレミング左手 |
| 運動で生じる起電力 | 磁界と運動 | フレミング右手 |
| 誘導電流 | 磁束の増減 | レンツの法則 |
手の形を作る前に、「今回は何を求めるのか」を一行で書きます。
はるの気づき
レンツの法則を「逆」とだけ覚えると、
磁石を遠ざける問題で必ず逆になりました。「減るなら補う、
増えるなら押し返す」と変化を言葉にすると向きが決まります。
分からない場所へ戻ることは、
後退ではありません。
矢印と原因をつなぎ直す作業です。
電験3種では、ここを確認する
- 増加と減少で誘導磁束の向きが変わる
- 左手は力、右手は発電
- B・ℓ・vが互いに直角か確認
数値が出たら単位を先にそろえ、
向きが出たら「・=手前」「×=奥」を図へ書き込みます。
まとめ
誘導電流は、
外から加えられた磁束そのものではなく、
その増減を妨げる磁束をつくります。①外部磁束の向き、②増加か減少か、③妨げる磁束の向き、④その磁束をつくる電流の向き、
の順に決めます。
次はLesson10「自己誘導・相互誘導と磁気エネルギー」です。
本文の「現象 → 矢印 → 予想 → 式」を、
自分で再現できるか6問で確認します。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1予想
上向き磁束が増加するとき、
誘導磁束はどちら向きですか。
答えを見る
下向き
増加を打ち消します。
問2予想
上向き磁束が減少するとき、
誘導磁束はどちら向きですか。
答えを見る
上向き
減少を補います。
問3法則
磁界と導体の運動から起電力の向きを求める法則は何ですか。
答えを見る
フレミング右手の法則
発電側は右手です。
問4まちがい探し
レンツの法則は常に元の磁束と逆向き、
と説明した。
答えを見る
逆なのは磁束の変化に対して
減少時には元と同じ向きに補います。
問5計算
B=0.40 T、ℓ=0.50 m、v=2.0 m/sのeを求めてください。
答えを見る
0.40 V
0.40×0.50×2.0です。
問6計算
e=1.2 V、B=0.60 T、ℓ=0.40 mのvを求めてください。
答えを見る
5.0 m/s
v=e/(Bℓ)です。



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