Lesson6 コイルの交流回路|電流が遅れる理由と誘導性リアクタンス
STEP4で、コイルは電流の変化を妨げると学びました。交流では電流が増えたり減ったりし続けるため、その性質が位相差として表れます。
交流で止まりやすいのは、「電流が90°遅れる」だけを覚え、なぜ遅れるのかを見ないことです。
今日のゴール
コイルで電流が遅れる理由を自己誘導から説明し、XLの増減を予想できるようになる。
まず、現象を言葉で読む
純コイルでは、変化する電流が自己誘導起電力を生み、電流の変化を妨げます。そのため電流は電圧より90°遅れます。交流を流れにくくする大きさを誘導性リアクタンスXLといい、周波数とインダクタンスに比例します。
- 電圧が先、電流が後と図に書く
- fとLはXLを大きくする側と確認する
- 直流定常では交流のXLとは別に考える
ここでは、次の図で何が先に起き、何が後から変わるのかを見ます。

電流を変えようとすると、コイルが反対向きに働く
電圧がかかって電流を増やそうとすると、コイルには増加を妨げる自己誘導起電力が生まれます。そのため電流はすぐに大きくなれず、電圧の変化より後を追います。これが「電流が90°遅れる」の出発点です。
図を見たら、公式へ進む前に自分の言葉で一度説明してみてください。

公式は、図の関係を短く書いたもの
X_L=\omega L=2\pi fL,\qquad I=\frac{V}{X_L}XL=2πfL なので、周波数が高いほど、またLが大きいほど変化を妨げる度合いは大きくなります。同じ電圧なら流れる電流は小さくなります。

小さな数字で確認する
50 Hz、0.20 Hなら XL は約62.8 Ωです。周波数を2倍にすれば XL も2倍になり、同じ電圧での電流は半分になります。
数字を入れた後も、最初に予想した向きや増減と合うかを確かめます。

電験3種での読み方
- 電圧が先、電流が後と図に書く
- fとLはXLを大きくする側と確認する
- 直流定常では交流のXLとは別に考える
まとめ
コイルの遅れは、変化を妨げる自己誘導の結果です。次は反対に、電流が先に動くコンデンサを見ます。
次はLesson7「コンデンサの交流回路」です。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1 予想
Lを3倍にするとXLは何倍ですか。
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3倍
XLはLに比例します。
問2 位相
純コイルの電流は電圧に対してどうなりますか。
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90°遅れる
自己誘導が変化を妨げます。
問3 式選択
誘導性リアクタンスの式は何ですか。
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XL=2πfL
周波数とLに比例します。
問4 まちがい探し
周波数が高いほどコイルに電流が流れやすいとした。
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XLが増えて流れにくくなる
I=V/XLです。
問5 計算
f=50 Hz、L=0.10 HのXLを求めてください。
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約31.4 Ω
2π×50×0.10です。
問6 計算
V=62.8 V、XL=31.4 Ωの電流を求めてください。
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2.0 A
V/XLです。



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