Lesson8 RLC直列回路|インピーダンスを三角形で組み立てる
R・L・Cを直列につなぐと、流れる電流は共通です。しかし各部に生じる電圧は、同じ向きに並びません。だから算数の足し算ではなく、矢印の合成が必要です。
交流で止まりやすいのは、R・XL・XCを R+XL+XC と一列に足してしまうことです。
今日のゴール
RLC直列回路で、なぜXLとXCを普通に足せないかを説明し、Zを三角形から求められるようになる。
まず、現象を言葉で読む
直列回路では電流Iを基準にします。抵抗電圧VRは同相、コイル電圧VLは90°進み、コンデンサ電圧VCは90°遅れます。VLとVCは反対向きなので差を取り、Rとの直角三角形からインピーダンスZを求めます。XL>XCなら誘導性、XC>XLなら容量性です。
- 直列なので電流Iを基準にする
- VLとVCは差を取る
- 差の符号で誘導性・容量性を判断する
ここでは、次の図で何が先に起き、何が後から変わるのかを見ます。

直列では電流を基準に、電圧の向きをそろえる
抵抗の電圧 VR は電流と同じ向き、コイルの VL は上向き、コンデンサの VC は下向きに置きます。VL と VC は反対向きなので、残るのは差です。その差とRが直角になるため、インピーダンスは三角形の斜辺として求めます。
図を見たら、公式へ進む前に自分の言葉で一度説明してみてください。

公式は、図の関係を短く書いたもの
Z=\sqrt{R^2+(X_L-X_C)^2},\qquad I=\frac{V}{Z}XL>XCなら縦成分が上に残る誘導性、XC>XLなら下に残る容量性です。Zは回路全体の流れにくさで、I=V/Z へつながります。

小さな数字で確認する
R=30 Ω、XL=50 Ω、XC=10 Ωなら縦成分は40 Ω。3:4:5の三角形なので Z=50 Ω、100 Vなら I=2.0 Aです。
数字を入れた後も、最初に予想した向きや増減と合うかを確かめます。

電験3種での読み方
- 直列なので電流Iを基準にする
- VLとVCは差を取る
- 差の符号で誘導性・容量性を判断する
まとめ
インピーダンスは公式ではなく、向きの違う電圧を整理した結果です。並列では基準が電圧へ替わります。
次はLesson9「RLC並列回路」です。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1 予想
XL>XCの回路は誘導性・容量性のどちらですか。
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誘導性
コイル側が残ります。
問2 予想
XLとXCが近づくとZはどうなりますか。
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Rへ近づく
縦成分が小さくなります。
問3 式選択
直列RLCのZの式は何ですか。
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Z=√(R²+(XL-XC)²)
三角形の斜辺です。
問4 まちがい探し
Z=R+XL+XCとして計算した。
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位相の違う量を普通に足している
ベクトル合成が必要です。
問5 計算
R=40 Ω、XL=40 Ω、XC=10 ΩのZを求めてください。
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50 Ω
√(40²+30²)です。
問6 計算
V=100 V、Z=50 Ωの電流を求めてください。
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2.0 A
V/Zです。



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