Lesson3 コイルとソレノイド|磁界を集めて強くする

一本の導線の周りにできる磁界を、
同じ向きに何回も重ねたものがコイルです。
磁気で手が止まりやすいのは、
公式が多いからだけではありません。
巻数だけを見て、
電流の向きやコイルの長さを見落とすこと。
このLessonでは、
式を選ぶ前に「原因 → 磁界・磁束 → 結果」の順番を図にします。
磁気は、
矢印を描いてから式を選ぶ。
まず、現象を言葉で読む

円形コイルでは、
導線の各部分がつくる磁界が中心で同じ向きに重なります。
長いソレノイドでは、
内部にほぼ一様な磁界ができます。
右手の指をコイル電流の向きに沿わせたとき、
親指がコイル内部の磁界とN極の向きを示します。
- 巻数Nが増えるほど強い
- 電流Iが増えるほど強い
- コイルが長いほど単位長さあたりの巻数が減り弱い
- 右手の親指はコイルのN極
計算前に、増減と向きを予想する

公式へ数字を入れる前に、
何を大きくすると答えが増えるか、
どの矢印が原因かを確認します。
磁界はアンペアターン NI に比例し、
磁路長 ℓ に反比例します。
小さな数字で確認する

N=500回、I=0.20 A、ℓ=0.50 mなら、H=500×0.20/0.50=200 A/mです。
巻数を1000回にすると400 A/mになります。
計算結果だけで終わらず、
最初の予想と一致したかを確かめてください。
予想と逆なら、
計算より先に式の分子・分母、
角度、
単位を見直します。
向きを決める道具を選ぶ

| 知りたいもの | 分かっているもの | 使う考え方 |
|---|---|---|
| 電流がつくる磁界 | 電流の向き | 右ねじ |
| 導体が受ける力 | 磁界と電流 | フレミング左手 |
| 運動で生じる起電力 | 磁界と運動 | フレミング右手 |
| 誘導電流 | 磁束の増減 | レンツの法則 |
手の形を作る前に、「今回は何を求めるのか」を一行で書きます。
はるの気づき
コイルの問題でN極を当てようとして混乱したとき、
一本の輪に戻りました。
各導線がつくる磁界を中心で重ねると、N極は暗記ではなく結果として見えます。
分からない場所へ戻ることは、
後退ではありません。
矢印と原因をつなぎ直す作業です。
電験3種では、ここを確認する
- 巻数・電流・長さの増減
- コイル電流からN極を決める
- cmとmmをmに直す
数値が出たら単位を先にそろえ、
向きが出たら「・=手前」「×=奥」を図へ書き込みます。
まとめ
円形コイルでは、
導線の各部分がつくる磁界が中心で同じ向きに重なります。
長いソレノイドでは、
内部にほぼ一様な磁界ができます。
右手の指をコイル電流の向きに沿わせたとき、
親指がコイル内部の磁界とN極の向きを示します。
次はLesson4「磁束と磁束密度」です。
本文の「現象 → 矢印 → 予想 → 式」を、
自分で再現できるか6問で確認します。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1予想
巻数を2倍にすると磁界は何倍ですか。
答えを見る
2倍
HはNに比例します。
問2予想
長さを3倍にすると磁界は何倍ですか。
答えを見る
3分の1
Hはℓに反比例します。
問3法則
コイルのN極を決める右手で、
曲げた指は何を表しますか。
答えを見る
コイル電流
親指がN極・内部磁界です。
問4まちがい探し
N=200、I=0.5 A、ℓ=50 cmをそのまま50として代入した。
答えを見る
cmをmへ直していない
50 cm=0.50 mです。
問5計算
N=400、I=0.25 A、ℓ=0.50 mのHを求めてください。
答えを見る
200 A/m
400×0.25/0.50=200です。
問6計算
H=300 A/m、ℓ=0.40 m、N=600のときIを求めてください。
答えを見る
0.20 A
I=Hℓ/N=120/600です。



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