Lesson9 RLC並列回路|電流を分けてアドミタンスで読む
直列回路では電流が共通でした。並列回路では、すべての枝に同じ電圧がかかります。まず基準を替えることが、直列との混同を防ぐ一歩です。
交流で止まりやすいのは、直列と並列で共通になる量を取り違え、枝電流を普通に足すことです。
今日のゴール
RLC並列回路で電圧を基準に選び、枝電流をベクトル合成してアドミタンスを読めるようになる。
まず、現象を言葉で読む
並列回路では電圧Vを基準にします。抵抗電流IRは同相、コイル電流ILは90°遅れ、コンデンサ電流ICは90°進みます。ILとICは反対向きなので差を取ります。インピーダンスの逆数をアドミタンスYといい、電流の流れやすさを表します。
- 並列なので電圧Vを基準にする
- ICとILは差を取る
- Yの単位Sを確認する
ここでは、次の図で何が先に起き、何が後から変わるのかを見ます。

並列では電圧を基準に、電流の向きをそろえる
抵抗電流 IR は電圧と同相、コイル電流 IL は下向き、コンデンサ電流 IC は上向きに置きます。ILとICは反対向きなので差を取り、IRとの直角三角形で全電流を求めます。直列回路の電圧ベクトルと、形は同じで主役だけが替わります。
図を見たら、公式へ進む前に自分の言葉で一度説明してみてください。

公式は、図の関係を短く書いたもの
Y=\sqrt{G^2+(B_C-B_L)^2},\qquad I=VYアドミタンスYは、インピーダンスZの逆数で「流れやすさ」を表します。並列回路では I=VY と書くと、共通の電圧から全電流へ進めます。

小さな数字で確認する
IR=3 A、無効電流成分が4 Aなら、全電流は5 Aです。先に「並列だからV共通」と書けば、どの量を合成するか迷いません。
数字を入れた後も、最初に予想した向きや増減と合うかを確かめます。

電験3種での読み方
- 並列なので電圧Vを基準にする
- ICとILは差を取る
- Yの単位Sを確認する
まとめ
直列と並列の違いは、公式より先に「何が共通か」を決めることです。次は打ち消し合いが最もはっきり現れる共振へ進みます。
次はLesson10「共振・交流電力・力率」です。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
問1 予想
ICとILが等しいと、無効電流成分はどうなりますか。
答えを見る
0
上下のベクトルが打ち消し合います。
問2 言葉
インピーダンスの逆数を何といいますか。
答えを見る
アドミタンス
流れやすさを表します。
問3 式選択
アドミタンスから全電流を求める式は何ですか。
答えを見る
I=VY
並列では電圧が共通です。
問4 まちがい探し
全電流をIR+IL+ICと普通に足した。
答えを見る
位相の違う枝電流はベクトル合成する
ILとICは反対向きです。
問5 計算
IR=6 A、IC-IL=8 Aの全電流を求めてください。
答えを見る
10 A
√(6²+8²)です。
問6 計算
V=100 V、Y=0.05 Sの電流を求めてください。
答えを見る
5.0 A
VYです。



コメント