【STEP6-6】三相負荷と電流|中性線には、いつ電流が流れる?

STEP6 Lesson6 三相負荷と電流・平衡と不平衡、中性線を学ぶ手描きアイキャッチ

Lesson6 三相負荷と電流|平衡・不平衡と中性線

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平衡したY結線負荷の中性線電流は?

読む前に1問。10秒で終わります。

今日のゴール

Lesson5では、√3の関係に「平衡」という条件が必要でした。

今日は、その条件を負荷まで含めて確かめます。

平衡・不平衡を区別し、中性線の電流をベクトルで考えられれば十分です。

仕事終わりの学習で図を見る余裕がないときは、問題文に「対称電源」「平衡負荷」「中性線あり/なし」の三つを先に書き出してください。計算はその後で大丈夫です。

この図を見る理由: 3本の線の合流点を先に見つけ、中性線電流を考える出発点をそろえるためです。

青い服の案内役が三本の電流が集まる中性点をノートで確認する手描き図

図から読むこと: 案内役の鉛筆が指す合流点で、電流の向きと大きさを確認します。ここで単純な足し算を始めず、次の図でフェーザとして考えます。

まず、負荷がそろっているかを見る

Y結線の3本の枝に、同じインピーダンスを接続します。

電源が対称三相で、各枝の条件も同じなら、相電流の大きさは等しく、位相は120°ずつずれます。

これを平衡負荷と呼びます。

「電源が三相」だけでは、負荷の平衡は決まりません。a相の負荷だけ違えば、各枝の電流もそろわなくなります。

この図を見る理由: 3本の枝に同じ負荷があるかを、電流の数値より前に確認するためです。

同じインピーダンスZが3本の枝に入った平衡Y負荷の手描き図

図から読むこと: 同じZを通る3相なら、対称電源のもとで相電流も120°ずつずれます。

中性線電流は「普通の足し算」ではない

3本の線電流は、負荷の中性点へ入る向きを正とします。

中性線電流 I_N は、中性点から電源へ戻る向きを正に取ります。すると、キルヒホッフの電流則は次の形です。

\vec I_N=\vec I_a+\vec I_b+\vec I_c

上の横棒はフェーザ、つまり大きさと位相を持つ量です。

中性線を逆向きに定義すれば式全体にマイナスが付きます。電流の大きさは変わりません。

平衡時に Ī_a=I∠0°、Ī_b=I∠−120°、Ī_c=I∠+120° と置くと、3本を先端からつなげた図形は閉じます。

\vec I_a+\vec I_b+\vec I_c=0,\qquad I_N=0\,\mathrm{A}

この図を見る理由: 電流の「3本」は存在していても、向きを含めた和が0になる様子を見るためです。

等長の三つの電流ベクトルを先端からつなぐと閉じる手描き図

図から読むこと: 3本の実効値を算術的に I+I+I としていません。フェーザの和が0です。

そろわない負荷では、差分が戻る

三相4線式のY負荷で、各枝のインピーダンスが違うとします。

中性線があれば、負荷の中性点は電源中性点につながれます。

各枝の電流は異なり、Ī_a+Ī_b+Ī_c は一般に0ではありません。その合成電流が中性線を通ります。

この図を見る理由: 中性線に流れるのは、3つの電流の単純な合計ではなく、残ったフェーザ和だと確かめるためです。

異なる三つの負荷と電源中性点へ戻る中性線電流の手描き図

図から読むこと: たとえば Ī_a=10∠0° A、Ī_b=10∠−120° A、Ī_c=0 A なら、残る電流の大きさは10 Aです。10+10=20 A ではありません。

例題|2相だけ流れたら?

問題: 上の3本の電流が中性点へ入るとき、中性線電流の大きさを求めます。

考え方: a相とb相の間は120°。先端をつなぎ、横・縦を別々に足します。

式: Ī_a=10+j0、Ī_b=−5−j5√3 なので、Ī_N=5−j5√3 A。

答え: 大きさは √(5²+(5√3)²)=10 A です。

電気での意味: 2本とも10 Aでも、戻る中性線電流は20 Aではありません。向きを含めて合成した結果が10 Aです。

中性線がない不平衡Y結線

負荷の中性点が電源中性点につながっていないと、その電位が移動する場合があります。

このとき負荷の各相電圧は、電源の相電圧と同じとは限りません。

三相3線式の不平衡Y負荷に、V_P=V_L/√3 を機械的に当てはめないでください。

ただし、中性線がないから電流が消えるわけでもありません。3線式では中性線に流れる経路がなく、接続点では3本の線電流のフェーザ和が0になるように電流と相電圧が決まります。4線式の不平衡と分けて考えます。

この図を見る理由: 中性線の有無で、同じ不平衡負荷でも相電圧の読み方が変わるためです。

中性線ありとなしで不平衡Y負荷の中性点を比較する手描き図

図から読むこと: 3線式で中性点が移動したら、各枝の電圧を新しい中性点から測り直す必要があります。

止まりやすいポイント

  • 「三相だから中性線電流0」ではなく、対称電源と平衡負荷かを見る。
  • 電流は位相を持つので、フェーザで足す。実効値だけの足し算をしない。
  • 不平衡Y結線では、中性線があるかを先に確認する。ない場合は中性点移動に注意する。

このLessonのまとめ

平衡三相では、3本の相電流のフェーザ和が0になり、中性線電流も0です。

不平衡では0とは限りません。

次のLesson7では、まず1相分の電力を求めてから三相全体へ進みます。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

平衡条件と中性線の有無を確かめます。

問1 予想 ★☆☆

対称電源につながる3相の負荷インピーダンスが同じ状態は?

問2 式・法則 ★☆☆

平衡Y負荷の中性線電流は?

問3 式・法則 ★☆☆

中性線電流の大きさを求めるとき足すものは?

問4 まちがい探し ★★☆

「三相なら負荷が違っても中性線電流は必ず0」。誤りは?

問5 計算 ★★☆

Ia=10∠0° A、Ib=10∠−120° A、Ic=0 A。中性線電流の大きさは?

問6 接続 ★★☆

中性線のない不平衡Y負荷で起こり得るのは?

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