【STEP6-4】Δ結線|相電圧と線電流を「同じ2点」と接続点から読む

STEP6 Lesson4 Δ結線。案内役と、a・b・cを結ぶ三角形の図

Lesson4 Δ結線|相電圧と線電流を読む

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Δ結線で、線間電圧と相電圧の関係はどれですか?

読む前に1問。10秒で終わります。

今日のゴール

Lesson3のY結線では、相電圧は線と中性点、線間電圧は線と線で測りました。Δ結線では何が変わるでしょうか。今回も先に測る2点と電流が通る接続点を図で見ます。

読み終えたら、Δ結線の相電圧と線間電圧が等しい理由と、平衡時に線電流が相電流の√3倍になる理由を説明できるようになります。

Δ結線は、3つの相が三角形をつくる

3つの相を端と端でつなぎ、閉じた三角形にします。3つの角から、それぞれa・b・cの線を引き出します。これがΔ(デルタ)結線です。Y結線のような中心の中性点はありません。

この図を見る理由: 閉じた3つの枝と、各角から外へ出る3本の線を見つけるためです。

閉じた三角形をつくる3つの相と、a・b・cの3本の線

図から読むこと: a–b、b–c、c–aがそれぞれ一つの相の枝です。三角形の中心に接続点はありません。

電圧は、相も線間も同じ2点で測る

a–b間の枝の両端は、そのままa線とb線の接続点です。したがって、a–b枝にかかる相電圧と、a線–b線間の線間電圧は同じ2点の電圧です。

V_{ab,\mathrm{phase}}=V_{ab,\mathrm{line}}

各枝についても同様なので、相電圧と線間電圧の大きさは等しくなります。これは接続の形から分かる関係で、√3倍にはしません。

V_L=V_P\qquad(\Delta\text{結線})

この図を見る理由: 青い相の枝と、黄色の線間の測定が、ともにa–bという同じ2点を指すことを確かめるためです。

デルタ結線で相電圧と線間電圧がともにa-b間となる図

図から読むこと: Δ結線では、a–bの相電圧とa–bの線間電圧は別々の電圧を足したものではありません。

線電流は、接続点で2つの枝電流の差になる

電流は電圧と違います。aの接続点には、a線のほかにa→bの枝とc→aの枝がつながります。向きを次のように決めます。

  • I_a:a線から接続点aへ入る線電流
  • I_ab:aからbへ出る相電流
  • I_ca:cからaへ入る相電流

接続点では「入る電流の和=出る電流の和」です。したがって、向きをそろえた式は次の通りです。

\vec I_a+\vec I_{ca}=\vec I_{ab},\qquad \vec I_a=\vec I_{ab}-\vec I_{ca}

この図を見る理由: aの点へ入る2本と、出ていく1本の矢印を見て、なぜ引き算になるかを理解するためです。

aの接続点でIaとIcaが入りIabが出る電流の図

図から読むこと: 線電流は相電流2本の単純な足し算でも2倍でもありません。電流の向きを決めてから、ベクトルとして差を取ります。

平衡したΔ結線では、電流側に√3が現れる

3つの相電流の実効値が等しく、位相が120°ずつずれる平衡した正相を考えます。I_abを0°とすると、I_caは+120°です。2本の差であるI_aは、I_abより30°遅れ、大きさは√3倍になります。

\vec I_{ab}=I_P\angle 0^\circ,\quad\vec I_{ca}=I_P\angle 120^\circ,\quad\vec I_a=\sqrt3 I_P\angle(-30^\circ) I_L=\sqrt3 I_P\qquad(\text{平衡した}\Delta\text{結線})

ここでの「30°遅れ」は、正相でI_abを基準にした場合の言い方です。逆相や電流の向きの取り方を変えれば、進み・遅れの表現も変わります。√3と30°のベクトル計算はLesson5で詳しく扱います。

Y結線とΔ結線、√3が現れる側を比べる

Y結線は線と相の電流が同じ経路なのでI_L=I_P。平衡時は相電圧どうしの差で線間電圧が√3倍になります。一方、Δ結線は相電圧と線間電圧が同じ2点なのでV_L=V_P。平衡時は2つの相電流の差で線電流が√3倍になります。

この図を見る理由: √3を「Yは電圧側、Δは電流側」と、接続とベクトル差に結びつけるためです。

平衡時にY結線は電圧が、デルタ結線は電流が√3倍となる比較図

図から読むこと: 青い「同じ」は直結している側、黄色い「√3倍」は120°離れたベクトルの差を取る側です。√3の関係には平衡条件が必要です。

止まりやすいポイント

  • Δ結線では V_L=V_P。Y結線の電圧側の√3を持ち込まないでください。
  • I_L=√3I_Pは平衡した三相の大きさの関係です。不平衡時も各接続点で電流の向きをそろえた差は成り立ちますが、必ず√3倍にはなりません。
  • Δの枝が閉じていることだけで、「平衡時に必ず循環電流がある」とは言えません。枝電流と線電流、循環電流は区別します。
  • 30°の進み・遅れは、相順とどの枝電流を基準にするかを必ず添えて読みます。

このLessonのまとめ

  • Δ結線は、3つの相を端と端でつないだ三角形。
  • 相電圧と線間電圧は同じ2点にかかるため、V_L=V_P。
  • 接続点aではI_a=I_ab−I_ca。差はベクトルとして扱う。
  • 平衡した正相ではI_L=√3I_P。I_abを基準にしたI_aは30°遅れる。
  • Yは電圧側、Δは電流側に、平衡時の√3が現れる。

次のLessonへ

Lesson5では、120°離れた2本のベクトルの差から√3と30°が出る過程を、Y結線の電圧とΔ結線の電流を並べて確かめます。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

結線の形、測る2点、電流のベクトル差を確認します。

問1 予想 ★☆☆

Δ結線の形は何に似ている?

問2 式・法則 ★☆☆

Δ結線で線間電圧と相電圧の大きさの関係は?

問3 式・法則 ★★☆

平衡Δ結線で線電流の大きさは相電流の何倍?

問4 まちがい探し ★★☆

「2本の相電流が合流するから線電流は単純に2倍」の誤りは?

問5 計算 ★☆☆

平衡Δ結線で相電流が10 Aなら、線電流はおよそ何A?

問6 応用 ★★☆

正相で I_ab を0°としたとき、線電流 I_a の向きは?

三相交流で「どこから分からなくなったか分からない」ときは、つまずきポイントを確認するから弱点診断を見られます。

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