【STEP6-3】Y結線|相電圧と線間電圧を測る場所から見分ける

Y結線の中性点と相電圧・線間電圧を、同じ案内役とともに示すレッスン3のアイキャッチ

Lesson3 Y結線|相電圧と線間電圧を測る場所から見分ける

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Y結線で「相電圧」を測る2点は、どこですか?

読む前に1問。10秒で終わります。

今日のゴール

Lesson2では、3つの相電圧が120°ずれ、2相の差が線間電圧になることを予告しました。ここでは、まず結線図の測る2点を見つけます。

読み終えたら、Y結線の中性点・相電圧・線間電圧・線電流を図から指し示し、平衡時の基本関係を使い分けられるようになります。

Y結線は、3本が中心でつながる

3つの相の一端を1点につなぎます。その共通点が中性点 N。残りの端は、a・b・cの3本の線へつながります。形がアルファベットのYに見えるので、Y結線と呼びます。

この図を見る理由:最初に中心のNと、外へ伸びる3本の線を見つけるためです。

3つの相が中性点NでつながるY結線の基本図

図から読むこと:a・b・cは線の端、Nは3相に共通の点です。中性点が描かれていても、中性線が必ず外へ引き出されているとは限りません。

電圧は「測る2点」を先に決める

電圧は1点だけでは決まりません。どの2点の間かを言葉にしてから名前を付けます。

  • 相電圧:a–Nなど、1本の線と中性点の間。例:Va。
  • 線間電圧:a–bなど、2本の線の間。例:Vab。

淡い青は相電圧、黄色は線間電圧です。以下のレッスンでも、この色分けを使います。

この図を見る理由:「相」と「線間」を、公式でなく測定端子の位置で区別するためです。

aとNの間が相電圧、aとbの間が線間電圧であることを色分けした図

図から読むこと:a–Nが相電圧、a–bが線間電圧。同じaを使っても、もう一方の測定点が変われば電圧の名前も変わります。

線間電圧は、相電圧どうしの差

Nを共通の基準点にすると、a–b間の電圧は次のようになります。

V_{ab}=V_a-V_b

ここで引くのは向きを持つベクトルです。VaとVbは120°離れているので、大きさだけを引いてはいけません。同じ始点Nから2本を描き、Vbの先からVaの先へ向かう矢印がVabです。

平衡した正弦波三相で3つの相電圧の実効値が等しいとき、線間電圧の実効値は相電圧の√3倍になります。

V_L=\sqrt{3}V_P

VLは線間電圧の実効値、VPは相電圧の実効値です。正相でVaを0°とした場合、VabはVaより30°進みます。√3と30°の詳しい導出はLesson5で行います。

この図を見る理由:120°離れた等長の相電圧を差し引いた結果を、横・縦の成分に分けて√3と30°を確かめるためです。下の図は差の成分を表す直角三角形であり、元の2本の相電圧を描いた図ではありません。

ベクトル差の横成分3V/2と縦成分√3V/2から、斜辺√3Vと角度30°を示す手描きの直角三角形

図から読むこと:直角三角形の斜辺が線間電圧の大きさです。向きを逆にしたVbaはVabと符号が逆になります。成分の導出はLesson5で確かめます。

Y結線では、線電流と相電流が等しい

電圧は2点の違いで名前が変わりました。一方、Y結線の各線は、そのまま1つの相につながります。途中に分岐がないため、同じ経路を流れる電流です。

I_L=I_P

線電流を√3倍にしないでください。Y結線で√3が現れるのは、平衡時の電圧の関係です。

この図を見る理由:a線からa相へ電流をたどり、両者が同じ経路であることを確かめるためです。

Y結線のa線とa相が一本の電流経路になっている図

図から読むこと:a線の電流とa相の電流は同じです。b・cについても同様です。

中性線に電流が流れないのは、いつ?

中性点から外へ中性線を引き出す場合があります。負荷まで平衡し、3つの相電流が大きさ等しく120°ずれていれば、符号をそろえたベクトル和は0です。そのとき中性線電流の大きさも0になります。

\vec I_a+\vec I_b+\vec I_c=0\quad\text{(平衡負荷)}

不平衡負荷では、中性線電流は0とは限りません。中性線がない回路にも、この言い方を機械的に当てはめないようにします。詳しくはLesson6で扱います。

止まりやすいポイント

  • 相電圧と線間電圧は測る2点が違う。線–Nか、線–線かを先に確認します。
  • VL=√3VPは平衡した正弦波三相の大きさの関係です。不平衡でもベクトル差は求められますが、同じ√3倍とは限りません。
  • Y結線ではIL=IP。Δ結線で学ぶ電流側の√3と混ぜません。
  • Nがあることと、中性線が外へ引き出されることは別です。

このLessonのまとめ

  • Y結線は、3つの相の一端を中性点Nへ接続した形。
  • 相電圧は線–N、線間電圧は線–線で測る。
  • Vab=Va−Vb。線間電圧は相電圧のベクトル差。
  • 平衡時はVL=√3VP。Y結線ではIL=IP。
  • 負荷も平衡している場合、中性線電流は0。不平衡時は0とは限らない。

次のLessonへ

Lesson4はΔ結線です。Y結線と同じ「測る2点」「電流の通る経路」で比べると、√3がどちら側に現れるかを迷わず整理できます。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

測る2点、ベクトル差、電流の経路を確認します。

問1 予想 ★☆☆

Y結線で3相に共通の接続点は?

問2 予想 ★☆☆

a相の相電圧は、どの2点の間で測る?

問3 式・法則 ★★☆

平衡したY結線で、線間電圧の実効値は相電圧の何倍?

問4 まちがい探し ★★☆

「Y結線では線電流が相電流の√3倍」の誤りは?

問5 計算 ★☆☆

平衡Y結線で相電圧が100 Vなら、線間電圧はおよそ何V?

問6 応用 ★★☆

中性線電流を0 Aと言える条件は?

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