Lesson7 三相電力|1相分から√3の式へ
今日のゴール
Lesson6では、平衡か不平衡かを分けました。
今日は対称電源・平衡正弦波負荷を条件として、1相分の電力から三相の式を組み立てます。
数字が相のものか、線のものかを見て式を選べれば十分です。
仕事終わりに公式が増えて見えたら、まず「1相分」をノートに一つだけ書いてください。そこから3相分へ広げれば、√3が出る場所も追いやすくなります。
この図を見る理由: 同じ1相分が三つ集まる、という今日の出発点を先にイメージするためです。

図から読むこと: 三つの箱は別々の相です。まず一つを求め、同じ条件なら三つ分を足します。
まず1相分を考える
相電圧の実効値を V_P、相電流の実効値を I_P とします。
同じ相の電圧と電流の位相差を θ とすると、1相分の有効電力は V_P I_P cosθ Wです。
平衡なら3相とも同じなので、合計は次です。
P=3V_{P}I_{P}\cos\thetaこの図を見る理由: 「3」は3つの同じ相電力を足した数だと確かめるためです。

図から読むこと: 相量を使う式には3が付きます。不平衡なら同じ値を3倍できず、各相の有効電力を個別に足します。
Y結線なら、電圧を線間値へ直す
平衡Y結線では V_P=V_L/√3、I_P=I_L。先ほどの式にそのまま代入します。
この図を見る理由: √3が電圧側の変換から出る位置を見るためです。

図から読むこと: Y結線では相電圧から線間電圧への変換を式の中で行っています。
Δ結線なら、電流を線量へ直す
平衡Δ結線では V_P=V_L、I_P=I_L/√3。
同じ相電力の合計へ代入すると、やはり P=\sqrt3V_{L}I_{L}\cos\theta になります。
この図を見る理由: Y結線と答えは同じでも、√3が現れる入口が違うことを確認するためです。

図から読むこと: 線間電圧と線電流を使う平衡三相の有効電力式は、Y/Δどちらでも同じです。
P・Q・Sを単位で区別する
平衡した正弦波三相では、電力を次の3つに分けて読みます。
- 有効電力:P=\sqrt3V_{L}I_{L}\cos\theta W
- 無効電力:Q=\sqrt3V_{L}I_{L}\sin\theta var
- 皮相電力:S=\sqrt3V_{L}I_{L} VA
力率は P/S=cosθ です。
ここで θ は同じ相の電圧と電流の位相差。線間電圧と線電流のフェーザ角を、そのまま θ と誤読しないでください。
この図を見る理由: W・var・VAと、力率の位置を混ぜずに読むためです。

図から読むこと: S²=P²+Q²、cosθ=P/S。進み負荷ではQの符号規約に注意します。
小さな例
平衡三相で V_L=200 V、I_L=10 A、力率0.8とします。
式へ入れる前に、200 Vは線間電圧、10 Aは線電流と書きます。
P=√3×200×10×0.8≈2771 W=2.77 kW。
力率を1にした場合は約3.46 kWです。
止まりやすいポイント
- 相電圧・相電流なら
3V_PI_Pcosθ。線間電圧・線電流なら√3V_LI_Lcosθ。混在させない。 - √3の線量式は平衡正弦波三相が前提。不平衡時は各相の電力を足す。
θは同じ相の電圧と電流の位相差。単位W・var・VAも確認する。
このLessonのまとめ
1相分を3倍し、Yなら電圧、Δなら電流を線量へ変換します。
どちらも P=\sqrt3V_{L}I_{L}\cos\theta になります。
次は、このPを電力計がどう測るかを見ます。
EXERCISE
読んだ直後に、6問だけ。
1相分から三相全体へ。単位と力率も確認します。
問1 予想 ★☆☆
平衡三相の全電力は1相分の何倍?
問2 式・法則 ★☆☆
有効電力Pの単位は?
問3 式・法則 ★☆☆
線間値で表す平衡三相の有効電力Pは?
問4 まちがい探し ★★☆
相量に√3V_PI_Pcosθを使った。どこが違う?
問5 計算 ★★☆
V_L=200 V、I_L=10 A、力率1のPは?
問6 計算 ★★☆
P=6 kW、S=7.5 kVAの力率は?
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