電験三種の参考書を開いた。
最初は、
電圧。
電流。
抵抗。
このあたりなら、
聞いたことがある。
「まあ、なんとかなるかな」
そう思って読み進める。
でも、少しページをめくった瞬間。
分数。
√。
sin、cos。
知らない記号。
複雑な回路図。
さらに、
アルファベットだらけの数式。
……何これ。

日本語を読んでいる
はずなのに、
途中から急に暗号を
読まされているような
感覚になる。
解説には、
「この式を変形すると」
「以上より」
「したがって」
と書いてある。
いや。
だから、その途中が
分からないんだって。
参考書を何度か読み直す。
分からない。
YouTubeも見る。
なんとなく分かった気になる。
でも問題を解こうとすると、
手が止まる。
そして思う。
「やっぱり、自分には
電験三種は無理なのかな」

でも、ここで諦めるのは少し
早いかもしれません。
【なぜ】数式を見るだけで嫌になるのか?
まず考えてほしいことが
あります。
本当にあなたは、
「電気」が
分からないのでしょうか。
たとえば、
「電圧が大きくなると、
流れる電流も大きくなります」
と日本語で言われたら、
なんとなくイメージできる。
でも、
同じことを数式で
書かれた瞬間、
急に難しく見える。
なぜでしょう?
理由の一つは、
意味を理解する前に、
記号を見せられているから
だと思います。
数式に慣れている人は、
記号を見ながら
意味を読み取れます。
でも、
数学から離れて
何年も経っている
社会人にとっては、
I
V
R
P
√
sin
cos
全部が、
ただの記号に見える
ことがあります。

すると、
電気を理解する以前に、
数式を読むところで頭が止まる。
その状態で、
「公式を覚えましょう」
と言われても、
苦しくなるのは自然です。
数式は「暗号」ではなく、文章を短くしたもの
ここで一つ、
数式の見方を
変えてみてください。
数式は、
頭のいい人だけが
読める暗号ではありません。
長い文章を短く書いただけのもの
です。
たとえば、
「電圧を抵抗で割ると、
流れる電流が分かる」
これを毎回文章で
書くのは長い。
だから、
電流を I
電圧を V
抵抗を R
と置いて、
I = V ÷ R
と書く。
ただ、それだけです。

でも、
いきなり数式だけを
見ると難しく見える。
だから私は、
最初から公式を覚えようと
しなくていいと思っています。
まず、
何が起きているのか。
次に、
どういう意味なのか。
そのあとで、
数式を見る。
この順番です。
数式が読めるようになると、何が変わるのか?
ここが大切です。
数式が読めるようになると、
単に計算問題が解けるように
なるだけではありません。
参考書を読むスピードが変わります。
解説の意味が分かりやすくなります。
「この公式、何だっけ?」
ではなく、
「こういう現象だから、
この式になるのか」
と理解できるようになります。

さらに、
問題の数字や聞かれ方が
変わっても、
考えながら対応しやすくなる。
つまり、
丸暗記する勉強から、
理解して解く勉強へ
変わっていきます。
すると、
過去問を開いたときの
景色も変わります。
以前は、
「どの公式を使えばいいんだ?」
だったものが、
「まずここを求めればいいな」
と考えられるようになる。
そして、
昨日まで意味不明だった問題が、
少しずつ読めるようになる。
その瞬間、
勉強が少し面白くなります。
「自分にも分かるかもしれない」
と思えるようになるからです。
【どうやって】数式を読めるようにするのか?
やることは、
そんなに複雑ではありません。
いきなり難しい問題を
解く必要もありません。
まず、数式を見たら、
すぐに覚えようとしないことです。
一度日本語に戻してみる。
たとえば、
I = V ÷ R
を見たら、
「電流は、電圧を抵抗で割ったもの」
と読む。
次に、
「電圧が大きくなると電流は増える」
「抵抗が大きくなると電流は減る」
と意味を考える。

それから、
実際に数字を入れてみる。
こうすると、
ただの記号だった数式が、
少しずつ意味のあるものに
変わってきます。
おすすめしたい流れは、
現象 → イメージ → 意味 → 数式 → 計算
です。
最初から、
数式 → 暗記 → 過去問
ではありません。
一度、
意味を通してから数式を見る。
これだけでも、
かなり違います。
分からないなら、戻っていい
もし、
式変形が分からないなら、
式変形まで戻ればいい。
分数で止まるなら、
分数まで戻る。
√を見ると嫌になるなら、
「そもそも√って何だった?」
から始める。
sin、cosで止まるなら、
三角比の意味からやり直す。
中学校の数学まで戻ってもいい。
遠回りに見えるかも
しれません。
でも、
分からないまま100問解くより、
分からない1つを理解する方が、
その後の100問が楽に
なることがあります。
【今すぐ】今日、一つだけやってみる
ここまで読んで、
「なるほど。今度やってみよう」
と思った人。
それだと、
またいつもの「今度」に
なってしまいます。

だから、
今日ひとつだけ。
参考書を開いて、
最初に「意味が分からない」と
感じた数式を一つ探してください。
そして、
その数式を日本語にしてみる。
それだけでいいです。
解けなくていい。
覚えなくていい。
まず、
「この式は何を
言っているんだろう?」
と考えてみる。
そこが、
理解のスタートです。
数式が暗号にしか見えない。
それだけで、
「自分には電験三種は無理だ」
と決めなくていい。
もしかすると、
あなたに足りなかったのは、
才能でも、
根性でも、
勉強時間でもありません。
ただ、
数式を理解する順番
を知らなかっただけかも
しれません。
電験三種に合格するために、
最初から難しい数式を
使いこなす必要はありません。
まずは、
一つ読めるようになる。
次に、
もう一つ読めるようになる。
それを積み重ねる。

すると、
今まで「暗号」にしか
見えなかった数式が、
少しずつ、
「電気の現象を説明している文章」
に見えてきます。
その瞬間から、
電験三種の勉強は、
ただ覚える勉強ではなく、
「分かる勉強」
に変わり始めます。
そして、
「自分には無理かもしれない」
が、
「これなら、少しずつ
進められるかもしれない」
に変わる。
その感覚こそ、
電験三種を諦めずに続けるための、
最初の一歩になるはずです。



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