仕事を終えて、
やっと家に帰る。
ご飯を食べて、
お風呂に入って、
「今日は少しだけでも電験をやろう」
そう思って机に座る。
参考書を開く。
過去問を1問読む。
そして、手が止まる。
「あれ、この公式なんだっけ……」
昨日やったはずなのに
出てこない。

解説を見れば、
「ああ、これだった」
と思う。
でも次の日になると、
また出てこない。
そんなことが何度も続くと、
少しずつ別の声まで
聞こえてきます。
「自分には向いてないんじゃないか」
「こんなペースで、本当に受かるのか」
「若い頃みたいに覚えられないな」
そして最後には、
「今日はもういいか……」
と参考書を閉じてしまう。
もし、こんな夜が
あるなら、少しだけ
試してほしいことがあります。

なぜ、公式が出てこないだけで「自分には無理」と思ってしまうのか
電験三種を勉強していると、
できない問題そのものより、
できなかった自分に疲れる
ことがあります。
公式を忘れた。
計算を間違えた。
昨日できた問題が、
今日は解けない。
ただそれだけなのに、
頭の中では、
「また忘れた」
「全然成長してない」
「こんなんじゃ受からない」
と、話がどんどん
大きくなっていきます。

でも、
公式が1つ
出てこなかったことと、
電験三種に合格できないことは、
まったく別の話です。
ここを一緒にしてしまうと、
たった1問のミスが、
自分自身を否定する
材料になってしまいます。
これは本当にもったいない。
「なぜできない?」より、
「どこまで分かってる?」
と聞いてみる
問題が解けなかったとき、
つい、
「なんでこんなのも分からないんだ」
と思ってしまいます。
僕も、何度もありました。
でも、この問いかけを
していると、
できない理由ばかりです。
「疲れてるから」
「数学が苦手だから」
「記憶力が悪いから」
これでは、次に
何をすればいいのかが
見えてきません。
そこで、問いかけを
少し変えます。
「どこまでなら分かってる?」
たとえば、
三相交流の問題で
止まったなら、
「√3が出るところまでは分かる」
「線間電圧と相電圧で迷っている」
「電力の公式が思い出せない」
ここまで言葉にできれば、
もう、
「自分は三相交流が全部分からない」
ではありません。

止まっている場所が見えます。
勉強って、
分からないことを
全部なくす作業ではなく、
「どこで止まっているのか」を
1つずつ見つける作業
なんだと思います。
公式が出てこないときは、「思い出そう」としすぎない
ここが今回、
一番伝えたいところです。
公式が出てこないと、
頭の中で必死に探します。
「なんだっけ……」
「たしかVがあって……」
「√3だったっけ……」
でも、
出てこないものを
ずっと思い出そうと
していると、
だんだん焦ってきます。
そんなときは、一度、
公式そのものから
離れてみてください。
そして、
「この問題では、
何と何の関係を
聞かれているんだろう?」
と考えてみます。

たとえばオームの法則なら、
電圧が大きくなったら、
電流はどうなる?
抵抗が大きくなったら、
電流はどうなる?
そうやって意味から
たどっていくと、
V=RI
I=V/R
という式が、
単なる文字では
なくなってきます。
公式を
「覚えるもの」から
「意味から戻ってこられるもの」
に変えていく。
ここが大きいです。
「また忘れた」を「まだ定着していない」に変える
これも、僕はかなり
大事だと思っています。
問題を間違えたとき、
「また忘れた」
と言うと、
そこで話が終わります。
でも、
「まだ定着していない」
と言い換えると、
少し意味が変わります。
まだ、なんです。
今は出てこなかった。
でも、
次に見たときは
出てくるかもしれない。
3回目なら
分かるかもしれない。
5回目なら自然に
手が動くかもしれない。
勉強している途中なのだから、
分からない問題が
あるのは当然です。
むしろ、
分からない場所を見つけた瞬間が、
勉強のスタートです。

僕自身も、何度も「今日はもういいか」に負けてきました
僕自身、
三交代勤務を
しながら勉強していた頃、
毎日きれいに勉強
できていたわけでは
ありません。
眠い。
疲れた。
今日は休みたい。
スマホ見たい。
明日やればいい。
何度も自分の誘惑に負けました。
そして、
できなかった日は、
「また今日もできなかったな」
と思っていました。
でも今振り返ると、
必要だったのは、
毎日完璧に頑張る
ことではなかった
と思います。
もう一度、参考書に戻ってくること。
これでした。
昨日できなかったなら、
今日1問だけ見る。
今日無理なら、
明日また開く。
それを何度も繰り返す。
長い資格勉強では、
この「戻ってくる力」が
ものすごく大切です。
今夜、問題が解けなかったら、この3つだけ聞いてみてください
公式が出てこない。
計算が進まない。
もう嫌になってきた。
そんなときは、
頭の中で、この3つだけ
確認してみてください。
「どこまでなら分かってる?」
「この問題は、
何と何の関係を聞いてる?」
「次に1つだけ確認するとしたら何?」
全部解決しなくていいです。
1個だけでいい。
公式を1つ確認する。
解説を3行だけ読む。
図を1回描いてみる。
それで十分です。
電験三種は、「分からない」を繰り返しながら進む試験です
昨日覚えた公式が、
今日出てこない。
何度解いても間違える。
同じところで止まる。
あります。
でも、
そこで
「自分には無理だ」
まで話を飛ばさなくていい。
今日はただ、
この1問が分からなかっただけ。
そして、
どこが分からないかを
1つ見つけられたなら、
昨日より前に進んでいます。
今夜、
公式が出てこなくて
ペンが止まったら、
こう考えてみてください。
「さて、どこまでなら分かってる?」
その問いかけから、
もう一度始めればいい。
電験三種の勉強は、
一気に壁を壊すもの
ではありません。
1問。
1公式。
1つの「分かった」。
それを積み重ねていく。
その先に、
合格があります。



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