参考書を開いた瞬間、「数式のアート展」が始まってしまうあなたへ

電験三種の参考書を開く。

最初は日本語です。
「電圧とは――」
「電流とは――」
うん。

ここまでは読める。


ところがページをめくっていくと、
少しずつ雰囲気が変わってくる。




アルファベット。

分数。

√。

sin、cos。

見たことのない記号。


さらに、
その記号たちが分数になったり、
二乗されたり、
突然場所を入れ替えたりする。


そして気づく。


参考書だったはずなのに、
いつの間にか
「数式のアート展」に来ている。

作品名、

『交流回路 2026』

……何を表現しているのか、
まったく分からない。


解説を読んでみる。
「これを変形すると」
「したがって」
「以上より」

なるほど。


分からない。


こんな経験、ありませんか?


そして怖いのはここからです。


一つ分からない。
次も分からない。
その次も分からない。


すると、だんだん、
「数学が苦手だから仕方ない」
「自分には電験は難しい」
と思うようになる。

でも、もし。
今アート作品にしか見えていない数式が、
「読める文章」に
変わったらどうでしょう。



電験三種の勉強は、
今とはかなり違って
見えるかもしれません。

数式が読めると、参考書の景色が変わる

数式が読めるようになる。


そう聞くと、
「難しい計算ができるようになる」
というイメージが
あるかもしれません。


もちろん、それもあります。


でも、それだけではありません。


一番大きいのは、
参考書に書いてある説明が
つながり始めることです。



たとえば、

電流 = 電圧 ÷ 抵抗

という関係があります。


これを記号で短くすると、

I = V ÷ R

になります。


ここで、
I、V、Rを意味の分からない
記号として見ていたら、
覚えるしかありません。

でも、

I → 電流
V → 電圧
R → 抵抗

と意味がつながっていれば、
数式を見た瞬間に、

「電圧を抵抗で割れば、電流が分かるのね」

と読める。


つまり、
数式を「見る」から
「読む」に変わる。

これだけで、
参考書の景色が変わってきます。


公式を覚える量も変わってくる

電験三種の勉強を始めると、
次から次へと公式が出てきます。


すると、
「これ全部覚えるの?」
と思いますよね。


しかも、
昨日覚えた公式を今日忘れる。




また覚える。


数日後、また忘れる。




そして試験前。


公式集を見ながら、
「これ、いつまで続くんだ……」
となる。


でも、
数式の意味が読めるようになると、
少し変わります。

「この公式を使う」
ではなく、
「この現象だから、この関係になる」
と考えられるように
なるからです。


丸暗記するものが、
理解して使うものに変わっていく。
これはかなり大きな違いです。

過去問を見たときも変わる

さらに変わるのが、
過去問です。


数式が読めない状態では、
問題を見た瞬間、
頭の中で公式を探します。


「これはどの公式だ?」
「この問題、前に見たことあったっけ?」
「似た問題はどこにあった?」


でも、
数式の意味が分かってくると、

少しずつ、
「何が分かっていて、
何を求めたいのか」
を見るようになります。


電圧が分かっている。
抵抗も分かっている。
じゃあ電流を求められる。


まずここ。

次にここ。


そんなふうに、
問題を小さく分けて
考えられるようになる。

問題の数字が変わっても、
図が少し変わっても、
考えるための入口を
見つけやすくなります。


つまり、
「見たことがある問題しか解けない」
から、一歩抜け出せる。



これも、
数式が読めるようになる
大きなメリットです。

勉強時間の「中身」も変わる

社会人の電験受験で、
かなり大きな問題があります。


時間です。


仕事から帰ってきて、
勉強できるのは1時間。


人によっては30分かもしれません。




その貴重な30分を、
公式を思い出すだけで
使ってしまう。


解説の式変形が分からず、
同じ3行を何度も読み返す。


結局、
「今日は何を勉強したんだろう」
となる。


これが続くと苦しい。

でも数式が少しずつ
読めるようになると、

参考書を読む。

意味が分かる。

問題を解く。

間違えた理由を確認する。


この流れがつながってきます。


同じ30分でも、
勉強できる中身が変わってくる。


忙しい社会人だからこそ、
これは大きいと思います。

そして、一番変わるのはここかもしれない

私が一番大きいと思うのは、
点数でも、
勉強時間でもありません。


「自分にも分かる」という感覚です。


昨日まで、
数式が出ただけで、

「無理」

と思っていた。


でも、

一つ意味が分かった。

次の式も読めた。


過去問で、
「これを使えばいいんじゃない?」
と自分で考えられた。


そして正解した。


この小さな経験が積み重なると、
「数学が苦手だから無理」
だったものが、


「ちゃんと順番にやれば、
自分にも理解できるかもしれない」


に変わっていきます。

これが出てくると、
電験三種は、
ただの難しい資格では
なくなります。


少しずつ手が届く目標に変わってくる。

数式を読めるようになるために、最初にすること

では、
何から始めれば
いいのでしょう。


いきなり公式を100個
覚える必要はありません。

難しい問題を解く必要もありません。




まず一つ。

参考書の中から、
「意味が分からない数式」
を一つだけ探してください。


そして、
その数式を日本語に
戻してみる。


記号は何を表している?

この「=」の左右は何を言っている?

掛け算なのか。

割り算なのか。


何を求めようとしているのか。




分からなければ、
そこで止まっていい。


そこが、あなたの
勉強する場所だからです。


数式を見た瞬間、
公式を覚えようとしない。


まず、
「これ、日本語にしたら
何て言ってる?」
と考えてみる。


それだけでも、
数式との付き合い方は
少し変わります。


参考書を開いた瞬間、
「数式のアート展」が始まる。
今はそれでもいいと思います。


最初から全部読める人
ばかりではありません。


でも、
作品を一つずつ眺めて、
意味を知っていけばいい。


すると、
昨日まで意味不明だった記号が、
少しずつ文章として
読めるようになる。


参考書が読める。

解説がつながる。

公式の丸暗記が減る。

過去問で考えられる。


限られた勉強時間を使いやすくなる。


そして、
「これなら、自分にも
できるかもしれない」

と思えるようになる。




そこまで来たら、
もう数式は、
ただ眺めるだけのアート作品では
ありません。


問題を解くために、自分で使える道具です。


まず今日、
アート作品に見えている
公式を一つだけ、
日本語に戻してみてください。


全部分かる必要はありません。
一つ読めればいい。


その一つが、
「電験って、もしかしたら自分にもできるかも」
に変わる最初の一歩になります。

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