【STEP2-4】分圧と分流|公式を使う前に「どちらへ多く配られるか」を予想する

STEP2-4 分圧と分流|どちらへ多く配られるか
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直列につないだ2つの抵抗では、大きい抵抗と小さい抵抗のどちらに大きな電圧がかかる?

読む前に1問。10秒で終わります。

STEP2|直流回路を読む
Lesson 4|分圧と分流|公式を使う前に「どちらへ多く配られるか」を予想する

分圧と分流は名前が似ています。

しかも分流では、求めたい側と反対の抵抗が分子に現れるため、
公式だけで覚えると混乱しやすくなります。

先に結論を言います。

  • 直列では、大きい抵抗へ大きい電圧がかかる
  • 並列では、小さい抵抗へ大きい電流が流れる

この対照を理解してから、式を作ります。

分圧は、直列回路の電圧配分

2Ωと8Ωの直列回路で電圧が4Vと16Vに分かれる図

直列回路では、すべての抵抗へ同じ電流 I が流れます。

\displaystyle V_1=IR_1,\qquad V_2=IR_2

同じ電流を掛けるため、
抵抗が大きいほど電圧も大きくなります。

全電圧を V とすると、

\displaystyle I=\frac{V}{R_1+R_2}

したがって、

V_1=V\frac{R_1}{R_1+R_2} V_2=V\frac{R_2}{R_1+R_2}

分子には、電圧を求めたい抵抗が入ります。

分流は、並列回路の電流配分

2Ωと8Ωの並列回路で電流が8Aと2Aに分かれる図

並列回路では、各抵抗へ同じ電圧 V がかかります。

\displaystyle I_1=\frac{V}{R_1},\qquad I_2=\frac{V}{R_2}

同じ電圧なら、抵抗が小さい枝へ大きい電流が流れます。

全電流を I とすると、

I_1=I\frac{R_2}{R_1+R_2} I_2=I\frac{R_1}{R_1+R_2}

求めたい枝と反対側の抵抗が分子に見えます。

これは暗記上のいたずらではありません。

抵抗の小さい側ほど電流が大きくなるという逆の関係を、
二抵抗の比で表した結果です。

例題 分圧

分圧した4Vと16Vを足して20Vへ戻る確認図

20 Vの電源へ、
2 Ωと8 Ωを直列接続します。

8 Ωは2 Ωの4倍なので、
8 Ωへかかる電圧も4倍になるはずです。

\displaystyle V_{2\Omega}=20\times\frac{2}{2+8}=4\,\mathrm{V} \displaystyle V_{8\Omega}=20\times\frac{8}{2+8}=16\,\mathrm{V}

4 Vと16 Vを足すと、
電源電圧20 Vへ戻ります。

例題 分流

分流した8Aと2Aを足して10Aへ戻る確認図

全電流10 Aが、
2 Ωと8 Ωの並列回路へ流れ込みます。

2 Ωの枝は8 Ωの枝より流れやすいため、
多くの電流が流れるはずです。

\displaystyle I_{2\Omega}=10\times\frac{8}{2+8}=8\,\mathrm{A} \displaystyle I_{8\Omega}=10\times\frac{2}{2+8}=2\,\mathrm{A}

8 Aと2 Aを足すと、
全電流10 Aへ戻ります。

比で考えると、公式を忘れても戻れる

分圧は同じ向きの比で分流は逆向きの比になる比較図

分圧では、

V_1:V_2=R_1:R_2

分流では、

I_1:I_2=R_2:R_1

です。

式を忘れたときは、「共通なのは電流か、
電圧か」を確認します。

  • 直列は電流が共通 → V = I × R より電圧は抵抗に比例
  • 並列は電圧が共通 → I = V ÷ R より電流は抵抗に反比例

ここから式を作り直せます。

はるの気づき

分流公式の抵抗が逆になることを、
私は何度も覚え直しました。

でも、覚え直すたびにまた忘れました。

変わったのは、「狭い道には少なく、
広い道には多く流れる」と先に絵で考えたときです。

答えの大小を先に決めれば、
分子を取り違えた式にも気づけます。

丸暗記をやめるとは、
何も覚えないことではありません。

忘れたときに戻れる理由を一緒に持つことです。

電験3種では、ここを確認する

  • 分圧は直列、分流は並列
  • 直列では抵抗が大きい側の電圧が大きい
  • 並列では抵抗が小さい側の電流が大きい
  • 分けた電圧または電流を足すと全体へ戻る

まとめ

分圧と分流は、比の公式を二つ覚える単元ではありません。

同じ電流が流れる直列では、
電圧は抵抗に比例します。

同じ電圧がかかる並列では、
電流は抵抗に反比例します。

次は、分岐と複数のループを持つ回路を、
キルヒホッフの二つの約束から式へ変えます。

EXERCISE

読んだ直後に、6問だけ。

最初の3問は、計算しません。

頭の中で答えてから、選んでください。

問1予想 ★☆☆

10 Ω と 40 Ω を直列につなぎました。大きい電圧がかかるのはどちらですか。

  1. ①10 Ω の方
  2. ②40 Ω の方
  3. ③同じ
  4. ④電源の大きさによる
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

② 40 Ω の方

直列では、どちらの抵抗にも同じ電流が流れます。

同じ電流を掛けるのだから、抵抗が大きいほど電圧も大きくなります。

直列=大きい抵抗に大きい電圧。この一行を持っておくと、分圧の式を逆に使ったときにその場で気づけます。

問2予想 ★★☆

今度は 10 Ω と 40 Ω を並列にしました。電流が多く流れるのはどちらですか。

  1. ①10 Ω の方
  2. ②40 Ω の方
  3. ③同じ
  4. ④電源の大きさによる
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

① 10 Ω の方

並列では、どちらにも同じ電圧がかかります。

同じ電圧なら、通りやすい方に多く流れます。

並列=小さい抵抗に大きい電流。問1と向きが逆になっているのが要です。狭い道には少なく、広い道には多く——先に絵で考えてください。

問3式を選ぶ ★★☆

R₁ と R₂ を直列につなぎ、全体に V を加えました。R₁ にかかる電圧を求める式はどれですか。

  1. ①V × R₁/(R₁+R₂)
  2. ②V × R₂/(R₁+R₂)
  3. ③V × (R₁+R₂)/R₁
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

① V × R₁/(R₁+R₂)

分圧では、分子に「電圧を求めたい抵抗」が入ります。

「全体のうち、自分が何割を担当しているか」という比です。

②は R₂ にかかる電圧の式。分圧でいちばん多い失点が、この分子の取り違えです。

問4まちがい探し ★★☆

次の解答には誤りがあります。どこでしょうか。

20 Ω と 30 Ω を直列につなぎ、100 V を加えた。
「20 Ω にかかる電圧は 100 × 30/(20+30) = 60 V」
  1. ①分子に相手の抵抗(30)を入れている
  2. ②分母を (20+30) にしているのが誤り
  3. ③100 を掛けているのが誤り
  4. ④誤りはない。計算は合っている
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

誤り:分子に相手の抵抗(30)を入れている

正しくは 100 × 20/50 = 40 V

気づき方:20 Ω は小さい方なのに、答えが半分より大きい 60 V になっている。

直列では、大きい抵抗(30 Ω)の方に大きい電圧がかかるはずです。

40 V と 60 V を足すと 100 V。分けた電圧を足すと全体へ戻るかも必ず確認してください。ここが合っていても、割り当てが逆なら誤りです。

問5計算 ★☆☆

30 Ω と 20 Ω を直列につなぎ、100 V を加えました。20 Ω にかかる電圧は何 V ですか。

  1. ①40 V
  2. ②60 V
  3. ③50 V
  4. ④20 V
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

40 V

予想:20 Ω は小さい方なので、50 V より小さくなるはず。

100 × 20/(30+20) = 100 × 0.4 = 40 V

検算:30 Ω 側は 60 V。合計 100 V で電源へ戻ります ✓

問6計算(電験3種の形)★★★

2 Ω と 3 Ω を並列にし、全体に 10 A が流れ込んでいます。
2 Ω に流れる電流は何 A ですか。

  1. ①6 A
  2. ②4 A
  3. ③5 A
  4. ④10 A
答えを見る
先に選択肢を選んでください。

6 A

予想:2 Ω は流れやすい方なので、半分の 5 A より多いはず。

10 × 3/(2+3) = 10 × 0.6 = 6 A

検算:3 Ω 側は 4 A。合計 10 A で全電流へ戻ります ✓

分流では、求めたい枝と反対側の抵抗が分子に現れます。これは暗記上のいたずらではありません。

比で書くと、はっきりします。

分圧は V₁ : V₂ = R₁ : R₂(比例)

分流は I₁ : I₂ = R₂ : R₁(反比例)

式を忘れたら、「共通なのは電流か、電圧か」に戻ってください。直列は電流が共通だから V=IR で電圧は抵抗に比例。並列は電圧が共通だから I=V/R で電流は抵抗に反比例。ここから式を作り直せます。

6問、おつかれさまでした。
問1〜問4が答えられたなら、この記事は身についています。
迷ったところがあれば、その見出しにだけ戻ってください。全部を読み直す必要はありません。


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次はSTEP2-5へ進みます。

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